[東京 29日 ロイター] - 日銀は29日に公表した「展望リポート(経済・物価情勢の展望)」全文で、消費税引き上げの実質GDP(国内総生産)への影響について再試算した結果を公表した。前回2014年4月に実施された5%から8%への影響については、今年1月の試算よりも影響を深刻にみている。

一方、来年4月に予定されている10%への再増税の影響は1月試算より若干軽微となっている。

背景として、前回の8%への増税は、1)一部ソフトウエアのサポート期限切れと重なったこと、2)当時は15年10月に予定されていた再増税を見越した駆け込み需要もあった──ことから駆け込みが大きく、反動減も長期化した点を挙げている。

このため1月の展望リポートでは、8%への増税の実質GDPへの影響について、13年度プラス0.5%、14年度マイナス1.2%、15年度プラス0.3%と試算した。これに対し、今回は13年度プラス0.8%、14年度マイナス1.3%、15年度ゼロ%とし、駆け込みと反動が従来試算より大きかったと分析している。

一方、17年度については前回のマイナス0.7%(軽減税率を考慮済み)からマイナス0.6%に微修正した。今回初めて試算を公表した18年度への影響はプラス0.1%としている。

(竹本能文)