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実用的な金属部品の量産技術

金属3Dプリンターの売上が急増している。だがこれは、航空宇宙産業における「付加製造」の急成長のはじまりにすぎないのかもしれない。

金属3Dプリンティングは数十年も前からある技術だが、ここへきて実用的な量産技術として注目され始めている。特に航空宇宙産業各社が長年開発してきた付加製造部品の量産に備え、金属部品を造形する3Dプリンターの売上が急増している。

こう指摘するのは、付加製造業界のアナリスト兼コンサルタントのテリー・ウォーラースだ。同氏が発行する調査年報は、付加製造業界分析で最も信頼できる情報源として高く評価されている。

ウォーラースによると、一層ごとに積層するタイプの金属プリンターの売上は2013年の353台、2014年の550台から808台へと増加しているという。年間数百台という売上の伸びは小さく見えるかもしれないが、価格は数十万から100万ドルと高額だ。

金属3Dプリンティングを最初に採用したのは、整形外科や歯科のインプラントメーカーだった。数年前からこの方法でインプラントの造形を行っているが、航空宇宙産業の参入によって金属付加製造ビジネスが飛躍する可能性が見えてきた。

GEはジェット機用部品も製品化

GEやエアバスなどが開発した3Dプリント部品のうち数点は、製品化への準備段階にあるか、それに近いところにある。その証拠にGEはすでにこの技術を使ってターボプロップエンジン用部品に加え、燃料ノズルとエンジンセンサーハウジングといった複雑なジェットエンジン部品も製造している。

他にも多くの企業が水面下で航空機、人工衛星、ロケット用部品を多数開発中だ。

一般的に工業品の付加製造では敷き詰めた金属パウダーに電子制御されたレーザーや電子ビームなどの高温熱源を照射し、任意の部分を溶融させ積層していく。このテクノロジーは比較的少量生産の複雑な部品製造に特に有効だ。工作機械を個別に開発するよりコストが低いからだ。

従来のGEの3Dプリント燃料ノズルは、18個の部品を溶接でひとつの部品に組み立てられたものだった。新しく開発された部品は、はじめからひとつの部品として造形される。従来品に比べ25%軽量化されたため、機体の燃料効率向上につながるだろう。

GEは開発中の新しいジェットエンジンにこのノズルを19個使用する。同社は現在1万個の受注をかかえており、今後は年間3万個を3Dプリンターで製造する計画だ。

原文はこちら(英語)。

(原文筆者:Mike Orcutt、翻訳:山口桐子、写真:jpgfactory/iStock)

This article was produced in conjuction with IBM.