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加速する成長を裏づける調査結果

金融企業コーウェン・グループの調査によれば、Airbnbはほぼすべての人に愛されているという。

調査の対象となったのは第1四半期に米国のホテルまたは「民泊」を利用した1400人。民泊はAirbnbの利用者を対象としている。

「Airbnbについては肯定的な結果を予想していたが、長期的な見通しの鍵を握るいくつもの指標で、かなり良い結果が出たことには驚かされた」とケビン・コペルマン率いる調査チームは述べている。「この結果によって、Airbnbが成長するという予測への自信が高まった」

コーウェンはこの調査結果を受け、Airbnbでの「泊数(room nights)」が2016年に約7900万、5年後に5億、2025年には10億まで増えると予測している。

この楽観的な数字が出された理由をいくつか挙げてみよう。

リピーターが多い

ゴールドマン・サックス・グループは2016年、米国の消費者を対象とした調査を実施。Airbnbを利用した後、再び従来のホテルに宿泊しない人が増えていることがわかった。

コーウェンの調査でも同様の結果が出ている。3~5年前にAirbnbを利用した人の75%以上が、過去1年以内に再びAirbnbを利用しているのだ。

その理由を物語る調査結果もある。Airbnbの利用の大部分を占める休暇旅行では、ホテルよりAirbnbでの宿泊に満足している人が9倍も多かった。

利用者が友人にも推薦することが多い

口コミは新興企業の成長にとって大きな原動力となる。しかも無料だ。

コーウェンの調査によれば、Airbnbユーザーの80%以上が友人などにも利用を「薦めたい」または「とても薦めたい」と答えている。「薦めたくない」または「まったく薦めたくない」と答えたのはわずか8%だった。

「まだ利用したことはないが、利用してみたい」が多い

Airbnbの存在を知っていた人は半数ほどで、実際に利用したことがある人は10%以下だった。「つまり、ブランドの知名度が高まっており、その結果として2~3倍成長する可能性がある」とコーウェンは分析している。

Airbnbを利用したことがない人も、将来的な利用にとても積極的だった。

「Airbnbについて知っているが、まだ利用したことがない人は全体の26%。そのうち82%がいつか利用したいと答えた。さらに、そうした82%のうち66%が、今後1年以内に利用する計画だと述べた」

ホテル業界が崩壊することはない

「成長」はシリコンバレーで流行語となっているが、Airbnbはまさに驚異的な成長を遂げている。

コーウェンによれば、Airbnbは2012年、300%超の成長率を記録。その後の成長は鈍化しているものの「現在の何倍も規模を拡大し、世界の宿泊業のトップ3に食い込む」と予想している。

ただし、ホテルが宿泊客を奪われる心配はないだろう。Airbnbの泊数のうち「ホテルの直接的な犠牲」によるものは半分ほどだとコーウェンは推定している。

「泊数で見ると、全世界の有料宿泊に占めるAirbnbの割合は2%程度」だという。「従来型のホテル業界に壊滅的な影響を与える危険は少ないはずだ」

コーウェンは、Airbnbと規制当局の戦いは今後も続くと指摘しながらも、こうした逆風を押し戻すほどの追い風が吹いていると確信している。

「法的な問題や規制当局との戦いに関する疑念や否定的な報道は確かに存在するし、『Airbnbで失敗した』という記事も時折見かける。それでも、Airbnbを利用してみたい人が多いという調査結果は、肯定的な口コミや報道のほうがはるかに上回っていることを示唆している」

原文はこちら(英語)。

(原文筆者:Julie Verhage、翻訳:米井香織/ガリレオ、写真:Bet_Noire/iStock)

©2016 Bloomberg News

This article was produced in conjuction with IBM.