私は日本が大好きだ

2016/4/9
ドナルド・トランプの具体的な政策は不透明なところが多いと言われる。その外交政策について、ニューヨーク・タイムズ紙は米国大統領選が熱を帯びつつある2016年3月に2度にわたり電話インタビューを行った。
──日本と韓国には国防費をもっと負担してほしいと、あなたは何度か言ってきた。では、日本が「それなら北朝鮮と中国の脅威に対抗するため、核を持ちたい」と言いだしたらどうするのか。あなたは反対するのか。
いずれにせよ、アメリカはもうこんなことを続けられないという時が来る。私はプラス面もマイナス面もわかっている。
だが今は、基本的にアメリカが日本を守ってやっている。北朝鮮が思い切ったことをするたびに、日本をはじめとする国から電話がかかってきて、「なんとかしてくれ」と言われる。
そんなことはどこかの時点で無理になる。
では、それは日本が核を手に入れることを意味するのか。
そうかもしれない。実に恐ろしい世界だ。私に言わせれば、世界最大の問題は核であり、核拡散だ。その一方で、アメリカにはお金がない。
こうした取り決めをした時、アメリカは金持ちだったが、今は違う。金持ちじゃない。
昔のアメリカは、とても強い軍を持ち、多くの領域でとてつもなく大きな能力をもつ金持ちの国だった。だが、もうそうじゃない。
軍備は老朽化が著しく、核備蓄も実にひどい状態だ。ちゃんと機能するかどうかだって、彼らはわかってない。もうアメリカは昔と同じ国じゃないんだ。
──日本や韓国の国防について、アメリカから不満の声が出てくると、両国では必ず、「それならわれわれも独自の核抑止力を持つべきじゃないか。アメリカが頼りにならないなら、われわれが北朝鮮に抑止力を知らしめる必要がある」と言うグループが出てくる。これは合理的な考え方なのか。どこかの時点で、両国も独自の核を持つべきだと、あなたは思うか。
それはどこかの時点で、話し合わなければならない考え方だ。アメリカが今後も弱腰路線を取るなら、私が何と言おうと、日韓はいずれにせよ(核を)手に入れたいと思うだろう。
アメリカで起きていることについて、あまり安心できないと思うようになったからだ。
アメリカがいかに同盟国をサポートしてきたかを考えると、あまり強力ではなかった。世界のさまざまな場所を見れば、非常に強力なサポートをしてきたわけではない。
だからもうアメリカは、20〜25年、あるいは30年前と同じようには見られていない。これは問題だと思う。
アメリカが非常に強く、非常にパワフルで、非常にリッチな国に急いでならない限り、私たちが何を話そうと、向こうでそういうことが話し合われるのは間違いないと思う。
──あなたはそれに反対なのか。
うーん、どこかの時点で、われわれは世界の警察官でいられなくなる。そして残念ながら、現在は核の世界だ。
パキスタンも、北朝鮮も持っている。まだ運搬手段はないが、たぶん。私に言わせれば、それは大きな問題だ。
では、北朝鮮が核を持っているなか、その目の前に位置する日本も核を持っていたほうがいいと、私が思うか。
そのほうがいい可能性は十分ある。言い換えると、日本が北朝鮮に対して自衛するなら、それは(北朝鮮にとって)本当に問題だ。
そのほうがいい可能性は十分ある。アメリカはこれまで、彼(金正恩第一書記)についても、北朝鮮についても、大したことはできなかった。
だが、それよりもいいケースが十分ありうる。
日本との関係で一つ言えるのは……ところで私は日本が大好きだ。日本に非常にたくさん友達がいるし、日本とビジネスもやっている。
ただ、もしアメリカが攻撃を受けたら、日本側は何もする必要がない。逆に、もし彼らが攻撃を受けたら、われわれは全力で出て行かなくてはいけない。
わかるだろう? (日米間には)実に一方的な合意があるんだ。言い換えると、アメリカが攻撃されたら、日本はアメリカを守りに来る必要はなく、彼らが攻撃されたら、われわれが全面的に彼らの防衛に行かなくてはいけない。これは本当に問題だ。
(聞き手:Maggie Haberman記者、David E. Sanger記者、翻訳:藤原朝子、写真:Eric Thayer/The New York Times)
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