理屈で人は動かない。ビジネスの現場は泥まみれの「総合格闘技」

2016/4/8
大阪に出向したばかりの頃、私は理屈で人を動かせると思っていました。
携帯電話の戦略技術は4P、つまりはプライス、プロダクト、プレイス、プロモーションです。具体的には「料金体系をどうするか」「端末機や通信ネットワークをどうするか」「販売チャネルをどうするか」「広告宣伝をどう打つか」。それにはまず、ターゲットと訴求ポイントを決めることが重要です。
販売代理店候補、店頭での販売業務のあり方、それをバックアップする広告宣伝戦略など。細かくリサーチし、知識を総動員してプランを練り上げました。
プランは完璧。しかし組織は微塵も動きません。それこそ微動だにしないのです。
「あなたは現場のことをちっともわかっていない」
「そんなのは机上の空論だ!」
あちこちから不平不満がこぼれます。
「ビジネスの現場を知らない人間に、何を言っても無駄だ」と吐き捨てられるように嫌味を言われても、反論できませんでした。