滋賀大学長:文系軽視、教育後進国並み…文科省を批判
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文系学部と一括りにするのもなんだが、学問的成果が客観的に見えづらいというのはあるのではないか。科学技術系の学問は、世界共通語となる英語で研究成果を論文にして出版し、全世界の研究者からの評価を仰ぐことが可能だ。例えば、世界大学ランキングは、その是非に議論の余地があるものの、基本的に世界共通のフォーマットである論文の数や質を評価基準にしているので、評価が透明であるがゆえに納得感が得られやすい。
学部別(#1)にランキングを見ると、東京大学の物理学科はなんと世界第8位である!2、3年前は確か6位だったはずだ。一方で経営学は44位、哲学は39位、会計金融学は42位、国際政治は19位、法学22位、教育学に至ってはランキング外である。明らかに文系学部が東京大学の世界ランキングの足を引っ張っている。潜在的には世界トップ10に入れるにもかかわらず、だ。
文系の学問の研究者は、主に日本語で論文を書いているところが多いと聞く。日本語で論文を書いても日本人以外はその研究成果を正確には評価できない。すると、評価の透明性が担保されにくくなる。このように、外部から評価できない、評価できないものは昨今の経済事情を鑑みると廃止の方向に行くのは致し方ない側面もあるのではないか。
個人的には、文系の学問の重要性は認識しているつもりだ。だが、世の中がより透明性の高い定量的な評価を求めている以上、その評価軸で価値を提供することを真剣に考えるべきではないか。対策としては、文系学部の研究者達が、英語で質の高い論文を書いたり、質の高い研究成果を世界に向けて発信すれば、やがては国内での評価も上昇するはずだ。
<参考文献>
#1 学部別世界大学ランキング QS版2016年度
http://ameblo.jp/tekkanomaki/entry-11528788047.html昨年の京都大学総長に続く文科省の文系学部廃止令に対する批判。滋賀大学は母校である彦根東高校のお隣さん。よく言った!
問われているのは、文明国のあり方。それにしても、東京の大学人から声が上がらないのはなぜか。