国家だってアテにならないのに、会社なんてものが信じられるか

2016/4/3

父の会社が吸収合併

父の転勤でオーストラリアにいたのは1960年代(昭和30年代後半)のことでした。日本がちょうど高度経済成長に向かって勢いよく突き進もうとしていた時期ですが、それゆえに、社会不安も大きかった。
専門商社が次々と合併し、総合商社化して行ったのもこの頃。1964年に東京オリンピックが終了すると、いわゆる「40年不況」にも見舞われました。
そんな中、父が勤めていた江商も経営悪化により、兼松に吸収合併されることになりました。1967年のことです。
江商と言っても、若い方は名前を知らないかもしれません。その前身は、近江出身の北川与平が神奈川県横浜市に創業した北川商店。輸入綿糸の取り扱いで大きくなり、日本の商社として初めて米国に現地法人を置くなど、当時は名門として知られていました。
こんなに大きな会社でも、あっけなく潰れるんだ。
私は現地校で小学校2年生になっていましたが、そんな風に感じたのを記憶しています。