ファンを置き去りにした、 広島サッカースタジアム移転議論の内幕 - News&Analysis
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広島の観客動員が少ないのは明らかにスタジアムの立地が悪いからだろう。せっかく優勝しても試合が終わって大行列ができて市内に戻ってきたら終電無くなってるじゃあライトなファンは寄りつかない。市民球場跡地を活用すべき。事なかれ主義ではどうにもならん
非常に難しい問題です。
私が過去に取材した経験だと、様々な利権と思想が交錯しています。
まず現在のサンフレッチェのスタジアムが非常にアクセスが劣悪なところから新スタジアム建設の希望が出ます。
当初は当然税金での建設ですから、なかなか役所が重い腰を上げませんでした。
各方面からの反発を抑えるのが難儀だったからです。
経済界には野球派が多く、また原爆投下都市ということで平和への思いが強い方々もいます。
原爆ドームの近くに騒がしいスタジアムは作られたくないんですね。
そして松井市長というのがいわゆる公務員的市長で、任期中に何も問題を起こしたくない人でした。
スタジアム建設の機運が高まると、市民球場跡地でなく宇品なら、という案が浮上します。
この案は当初、地元企業の利権のためという声が強くありました。
今は土壌の問題、そもそもスタジアム建てられない土地では、というのも浮上しており、最初からこの宇品案はスタジアム建設をさせないための捨て案だった可能性もあります。
一方、サンフレッチェ側も問題がないわけではありません。
税金で建てるためですから、上手く稼働しなくては市民が納得しません。
ところが、サッカー専用スタジアムにするとコンサートなどで使える日数が限定され、収益性で不安が残ります。
天然芝だと養生に時間と手間がかかり、試合のない日にずかずか踏み込んではいけないんですね。
ただ、今は自前で作ろうとしています。
だったら、それらの問題はクリアされているはずです。
松井市長はかつてサンフレッチェが3度優勝すればスタジアムを作ると言いました。
単なる失言で終わらせたくないですね。
地元メディアが権力にべったりなのは気がかりです。
ここぞとばかりにスタジアム建設に反対のようで……やっと議論に上ってきた。検討協議会の提言は以下になります。
広島に相応しいサッカースタジアムについて
http://www.hfa.or.jp/objects/category_l3/635/14195682500.pdf
旧市民球場跡地の場合の大きな課題は、以下2点でした。
・3万人のスタジアム建設には、敷地が狭い。
・そのために掘り込む必要があり、建設費用が大きく増大する。
ここでポイントとなるのが3万人という収容人数。そもそも3万人を収容しなくてはならないという前提は、FIFAの基準で国際試合が可能になる人数だからとのこと。それを久保会長がFIFAに確認。すると2万人でも基準を満たせば可能との返答があり、地下を掘り込む必要がなくなったとのこと。これにより規模の課題とコストの課題をクリアできるというのがサンフレッチェ側の提案です。驚くのは、その前提すらFIFAに問い合わせていなかったのかということ。
サンフレッチェは、初優勝がかかった時に松井市長に「2位でいい」と言われ、またスタジアム建設については「3回優勝したらね」と無理難題のように引き伸ばされてきました。しかし、その条件さえもクリアしました。
サンフレ側はよく我慢してきたと思います。私はサンフレサポーターですが、松井市長が宇品にスタジアムを作ると言うならば、もうこれ以上広島市に義理立てしなくて良いのではないかとも思います。今のサンフレなら、全国で受け入れ先はあるのではないでしょうか。