【山崎大祐】ファーストキャリアは「自分の文化」をつくるものだ

2016/3/23
NewsPicksが2016年3月8日と3月15日の2回にわたって開催した、就活生を応援する就活セミナー。その様子を6回に分けてお届けする。3回目は、山崎大祐氏の講演録だ。

働くことは、生きること

僕は今35歳ですが、13年前、皆さんと同じように就活をしました。そのときは自分の将来キャリアについて、まったく想像がつきませんでした。そして、就職から13年間、本当にエキサイティングな時間を過ごしてきました。皆さんにも、想像もつかない素晴らしい未来が待っているかと思うと、本当にうらやましいと思います。
現在マザーハウスという会社の副社長をしています。この会社は、発展途上国から世界に通用するブランドをつくるという理念のもと、途上国の素材と人材を活用し、バックなどのモノをつくって売る会社です。「途上国は貧しいから」「かわいそうだから」というのではなく、途上国にある素晴らしい人材と素材に光を当てています。
副社長という立場ですが、今から10年前、当時25歳だった山口絵理子(マザーハウス社長)という女性と、26歳だった僕が一緒に立ち上げました。今は世界各地に約330人のスタッフが働いています。
バングラデシュにバックの工場、ネパールにストールの工房、インドネシアではジュエリーを製作。販売のほうは、日本で17店舗、台湾と香港で7店舗の直営店があります。このように、ゼロから始めたモノづくりのベンチャー企業ですが、将来は大きな会社になると僕は信じています。
もともと僕は、新卒でゴールドマン・サックス証券に入り、エコノミストをしていました。本日は、僕が就職してから会社を立ち上げ、今日までどんなことがあったのか、どんな経験をしたかを皆さんと共有したいと思います。
そして、この経験を通して本日、僕が皆さんにお伝えしたいことは、働くことの意味についてです。仕事というと、つらい修業というイメージがあったりします。しかし、そうではありません。働くことは、生きることと同じです。生きるように働く、自己成長のために働くという考えがあるんだ、ということをうまくお伝えしたいと思っています。
僕は母子家庭で育ち、奨学金で中学・高校へ行きました。そんな高校時代は、自分の将来の可能性など信じておらず、バイトとカラオケに明け暮れる日々を過ごしました。