【猪瀬直樹】「テレビとネットの融合」は130年前に予期されていた
2016/3/20
テレビの未来を考えるには、「テレビとは何か」を歴史から考える必要がある。著書『欲望のメディア』でテレビの歴史を描くとともに、作家、都知事の立場からテレビと触れてきた猪瀬直樹氏に、テレビの過去・今・未来を、日本のメディアとメディア人の課題とあわせて聞いた(全3回)。
テレビは滅びない
──『欲望のメディア』を拝読して、テレビというのは、昭和の象徴であり、戦後日本の象徴みたいなところがあるとあらためて感じました。皆が一方通行で同じものを同時に見るというところが特に。テレビ中心の時代が終わったときに、本当に昭和が終わるというか、日本が新しい時代に突入するような気がしているのですが、どうでしょうか。
猪瀬 テレビがマスであることには変わりはない。テレビに出演すると、「あ、見ましたよ」という反応がやっぱりあるよね。だけどネットはそうではない。
だから全体的にテレビの視聴率は落ちているけれども、落ちていても、やっぱりマス。だから、テレビが滅びるとは思わない。