民泊ホストと代行業者が明かす、売り上げ、トラブル、法的リスク

2016/3/19

枕を2つ置いたら集客が改善

民泊市場が拡大するにつれ、独自のノウハウを蓄積し、月に安定した収入を獲得するホストも現れている。
そのうちの一人、『ジョコビッチの生まれ変わる食事』などで知られる翻訳家のタカ大丸氏は、自ら古民家に居住し、余った部屋を外国人宿泊客に貸し出す「ホームステイ型民泊ホスト」だ。
大丸氏がAirbnb(エアビーアンドビー)で民泊を始めたのは2014年12月。もともとはシェアハウスに住んでいたところ、そこのオーナーが民泊事業で副収入を得ているのを目にし、自身もやってみようと思い立った。
そこで高田馬場に家賃14万円・3DKのアパートを借り、1部屋を自分で使い、残りの2部屋を貸し出すサービスを始めた。
高田馬場を選んだのは、山手線沿線という利便性もさることながら、「新宿区」のネームバリューがあったからだ。
外国人にとって、渋谷のスクランブル交差点と、新宿の都庁展望台は人気スポットとして知名度が高い。そこで「新宿区」と名乗れ、かつ新宿そのものより家賃の安い高田馬場は「お得」だという。
ゲストを受け入れるに際して新たに手配したものは、布団一式とその下に敷くエアーベッドぐらい。キッチンやトイレの備品、生活用品などは、ほとんど自身が使っているものを共有するかたちをとった。
客間として利用する部屋には大小があり、6畳の和室を40ドル、4畳半の洋間を25〜30ドルという値付けをした。
ただし、Airbnbには繁閑状況に合わせて、適正な値段がレコメンドされる機能がある。それに応じて、柔軟に値付けを変更していった。たとえば3月下旬〜4月上旬の桜が見られるシーズンは6畳部屋が70ドル、4畳半部屋が50ドルでも十分に集客できたという。
当初、和室は順調に稼働したものの、小さな洋間はなかなか埋まらない日々が続いた。大丸氏は説明文や写真を変えるなど、数々の試行錯誤を行ったが、もっとも効いたのは以下の改善だった。