2016年2月23日、Sansan初のプライベートカンファレンスを開催しました。当日に、代表取締役社長 寺田親弘が語った “ちょっと未来の働き方”というテーマを紐解きながら、私たちが目指す「働き方の革新」についてお話しします。

名刺をなくし、働き方の革新を実現する

私たちSansan株式会社は「ビジネスの出会いを資産に変え、働き方を革新する」というミッションを掲げ、法人向けでは「Sansan」、個人向けでは「Eight」というサービスを提供しています。
しかし、決して名刺管理サービスの販売だけを目的としている企業ではありません。
名刺とは、ビジネスにおける出会いの証。私たちは、この「ビジネスの出会い」をデータベース化して資産に変えることで、「働き方の革新」を起こします。つまり、名刺というアナログの文化をなくし、世の中の働き方を良い方向に変えたいと考えているのです。
おそらく多くのビジネスマンが、一度は名刺の煩わしさを感じたことがあるのではないでしょうか? さまざまなものがデジタル化していく中で、名刺はなおアナログとして残りつづけています。だからこそ、この名刺をきちんとデータ化できれば、たくさんのムダがなくなるはずです。
しかし、急に「紙の名刺をなくしましょう」と言っても、すぐになくせるものではありません。たとえば、CDがデジタルデータに完全に置き換わりつつある昨今を振り返ると、はじめに起きたイノベーションは、iPodのようにCDのデータをハードディスクに取り込んで持ち運べるようにすることでした。それに合わせて、オンラインから直接データを取り込めるようにすることで、結果としてCDをデジタルへと置き換えていったのです。
もちろんiPodが普及する以前にも、音楽データのダウンロードサービスは存在しました。しかし、人々の考え方を急に変えるのは難しく、間を埋めるように、徐々に変化を促す必要があった。それは、私たちのサービスにおいても同様の考えです。急激に変化させるのではなく、Sansanの提供するサービスを利用していただく過程で、徐々に紙の名刺をなくし、働き方の革新を実現していきます。
「Eight」においては、すでにスマホなどを利用した“デジタル to デジタル”の名刺交換を開始。同じように「Sansan」でも、アナログからデジタルへの移行がはじまろうとしています。
そのような中で先日開催したのが、Sansan初のプライベートカンファレンス。
ここからは、当社 寺田が語った“ちょっと未来の働き方”と、出会いの証である「名刺」をデジタルへと移行することで、世の中にどういった価値を生み出すのかをご紹介します。

働き方を変えるキーワードは、「シェア」

昨今起きているイノベーションの裏側には、必ずシェアという概念があります。たとえば「Uber」や「Airbnb」は、埋もれた資産をシェアする、いわゆるシェアリングエコノミーによって新しいライフスタイルを提案しています。
身近なところでは「Facebook」。プライベートのつながりをインターネット上でシェアすることで、私たちのライフスタイルを大きく変えました。
そしてSansanは、名刺を入り口にしたシェアによって、ビジネスシーンにも似たような変化をもたらします。
たとえば、名刺には顧客情報が書かれています。このデータをコピーするのではなく、シェアしていくことで、社内で何重にも入力されていた顧客情報を一元化できるようになります。
また、名刺は、顧客情報であると同時にビジネスにおける出会いの証でもあります。人と人のつながりを表すこの名刺をシェアすれば、同僚が、いつ誰と出会い、どんな人とつながりを持っているか、簡単に知ることができるのです。
もしかしたら、10年前にあなたと取引をしていた相手が、隣の部署の新人と新しくビジネスを始めるかもしれません。蓄積された出会いは今だけでなく未来へとシェアされていきます。
——ここまでが、Sansanの持つ基本的な価値です。
少し違った角度から見てみると、「名刺はアイデアである」ともいえます。なぜなら、その人の持っている名刺を並べてプロファイリングすれば、どんな人と出会い、どんな地域で働き、どんな会社やどんな業界のどんなレベルの人と付き合ってきたのかがわかるから。そして、その集積として「どんなことを考えるのか」を教えてくれるからです。
名刺が、その人の持っているアイデアやノウハウを雄弁に語ってくれる……それが社内でシェアされれば、その人がどういったアイデアやノウハウを持ち、何が得意かを簡単に理解することができるでしょう。
 

「名刺 × テクノロジー」の力で、人々の未来を変える

さらにその先には、名刺のデータベースと世の中のビッグデータを連携させることで、ビジネスを圧倒的に加速させる世界があります。
「名刺」——つまりビジネス活動の結果を物語るデータベースを人工知能が分析することで、優秀なビジネスマンが次に会うであろう人、つまり、あなたが次に会うべき人をSansanが提案してくれる世界です。
「1年ぶりにこの人に連絡を取ってみてはどうでしょうか?」「隣の部署の方にこちらの会社を紹介してもらってはいかがでしょうか?」など……Sansanの人工知能がより確実で、よりビジネスを加速させるアドバイスをしてくれるでしょう。
その世界観を体現する第1弾の取り組みとして、近日中に、プロフィール機能などの拡充を予定しています。
シェアという概念により、今まで埋もれていた資産が有効活用できるようになれば、情報システムも、マネジメントのありようも、そして働き方そのものが変わっていくのです。
——ここまでに挙げたのはSansanが目指している世界のほんの一例です。
Sansanは、「名刺 × テクノロジー」の力によって、ビジネスにおけるムダを極限までなくし、一期一会の出会いを、“本当に価値あるもの”に変えていきます。そして数年後には、働くことがよりシンプルになり、今まで“あたりまえ”だった作業が、“ありえない”ものになっていることでしょう。
いっさいのムダがなくなり、自分の本来の仕事だけに没頭したり、余計なことに割いていた時間を趣味や家族と過ごす時間に使ったり……人々がより自由を手にする、そんな未来が待っているかもしれません。

「イノベーション」はチャレンジによって実現する

2015年12月、スペースX社のロケットが再着陸に成功しました。
ご存知の通り、これまでロケットは一度打ち上げられたら使い捨てられるものであり、そのため宇宙という場所は、人類から非常に遠く、コストが掛かる場所でした。しかし、このロケットを再利用、つまり、未来にシェアすることにより、宇宙へ行くコストが20分の1になるといわれています。
再着陸……聞けばなんのことはない話ですが、そこには大変な苦労があり、同時期に生きた私たちだけが、スペースX社のチャレンジを知っています。
未来の宇宙は、“あたりまえ”のように、働く空間になっていて、その時代では「ロケットを使い捨てていた?昔の人は、なんてもったいないことをしたんだ」と言われているかもしれません。
過ぎてしまえば“あたりまえ”のように語られる。それが「イノベーション」です。
私たちが立っているこの地球でさえも、ほんの数百年前までは真っ平らで、その先には何もないと思われていました。今となればおかしな話ですが、当時の人々にはそれが真実だったのです。
「地球は丸い」という事実を“あたりまえ”にするために、命がけのチャレンジがいくつもあり、かの有名なガリレオは「それでも、地球は回っている」と言い続けたそうです。そういった人々のチャレンジにより、“ありえない”と思われていたことが“あたりまえ”に変わりました。
数年後の新卒社員が「えっ昔は、名刺を紙のまま机の中に入れていたんですか? どうやって仕事をしていたんですか?」と、Sansanがなかった時代のビジネスシーンを想像できなくなっている時代が来るかもしれません。
そういった世界を実現するために、私たちは全力で「働き方」のイノベーションにチャレンジし続けています。
2016年現在、Sansanは新たに調達額約20億円を増資し、国内外問わず、会社規模を拡大していくべきフェーズに入りました。2015年10月に設立したシンガポール支社に続き、2016年1月4日から大阪オフィスを営業開始。5月末までには名古屋、札幌、福岡にもオフィスを拡大予定です。
今後は、本社のある東京だけでなく、各地の国内拠点の開拓やアジア圏のマーケティングにも力を入れていきます。ですが、Sansanの社員はまだ200人程度。世界の約70億人の働き方をより良いものにしていくためには、まだまだ人も技術も足りません。
世界を変える新たな価値を生み出す——そのビジョンに向かって、Sansanはまだ走り出したばかりです。いまの“ありえない”が、未来の“あたりまえ”に。そして、いまの“あたりまえ”が、未来の“ありえない”になる。そんな「イノベーション」を、私たちと一緒に起こしてみませんか?
(Text by PR Table)