[東京 17日 ロイター] - 経営再建中の東芝<6502.T>は17日、医療機器子会社の東芝メディカルシステムズの全株式の売却についてキヤノン<7751.T>と譲渡契約を結んだと発表した。売却益は約5900億円。

東芝は、不正会計問題に端を発した大幅な業績悪化で2016年3月期に自己資本比率が2.6%に低下する見込み。業績優良な医療機器子会社を手放すことで、危険水域に近づいている財務体質の改善につなげる考えだ。

売却金額は約6655億円。2016年3月期業績予想への影響については「現在精査中」(東芝)としている。

東芝メディカルの売上高は連結で約4000億円で、15年3月期の単体営業利益は177億円。主な製品では、CT(コンピューター断層撮影装置)が世界2位、超音波診断装置が同3位、MRI(磁気共鳴画像装置)が同4位(いずれも東芝メディカル調べ)につける。

キヤノンの医療事業は、X線画像診断装置と眼底カメラが主力。13年ごろに売上高1000億円を目指していたが、現時点では達していない。

会計不祥事を契機に東芝が「虎の子」といえる医療機器子会社の売却に踏み切ったことについて、キヤノンでは「千載一遇のチャンス」(田中稔三副社長)と捉えていた。

*内容を追加します。

(浜田健太郎)