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ビジネスエリートたちのお金の使い方には法則がある。それは、お金を使って、使った額以上にお金を増やすということ。そのためのルールは5つあり、「時間を買う」「ノウハウを買う」「人脈を買う」「希少性を買う」「お金を生む資産を買う」だ。黒木陽斗氏の最新著書『シリコンバレーのビジネスエリートたちが実践する使っても減らない5つのお金のルール』から一部を抜粋・要約し、数回にわたってお届けする。

時間あたりの情報量に注目

ビジネスエリートの知識と情報の取得方法についてお話しします。

情報というと、一般的にマスコミが流す情報があります。そのなかでもテレビは、その情報伝達のスピードが速く、映像で情報を見られるというメリットがあると通常は考えられています。

しかし、ビジネスエリートは、テレビを見ません。一番の理由は「テレビを見る時間がないほど忙しいから」ですが、理由はそれだけではありません。彼らの多くは、口をそろえて「テレビは、時間あたりの情報量が少ない」と言います。

例えば1時間のニュース番組を視聴するのと本を1時間読むのとでは、得られる情報が多いのは、圧倒的に後者。費用対効果優先で考えるビジネスエリートならば、「テレビを見る時間は無駄」という結論に達するのも納得です。

加えて、タイムシフト(自分が都合のいいときに番組を見る)ができないのもテレビのデメリットだといえます。

もちろんハードディスクレコーダーに保存するなどの選択肢もありますが、情報に速報性を求めるなら、オンエアの時間に合わせてテレビの前に座らなければなりません。テレビは自分が必要なときに必要な情報を仕入れる、という使い方がしにくいのです。

多忙を極めているビジネスエリートならば、「必要なときに必要な情報を必要なだけ取りたい」のが本音です。インターネットで好きなときに瞬時に好きなだけ情報が得られる現在、情報収集の手段として、テレビはかなり「窮屈」に感じるのでしょう。

ビジネスエリートは新聞を読む?

では、新聞はどうでしょうか。これもビジネスエリートにあまり好まれません。会社に届けられる新聞に一応目を通すだけ、それも自分の仕事に関係がありそうな記事を拾い読みするのがせいぜいというところ。

なぜか。ビジネスエリートにしてみたら、インターネットでの情報に比べれば、新聞に載っている情報は「遅い」からです。すでに知っている情報がほとんどで、新聞のように「誰でも入手できる」情報ソースからビジネスチャンスを得られるとは、彼らは期待していません。

彼らが積極的に収集しているのは、「マスコミが流している以上の情報」「金になる情報」だけ。そんな情報を得るために、お金を使うのです。

例えば、企業の信用情報や売却情報は、お金を出さなければ手に入らないものです。日系企業はその点が甘かったりしますが、外資系企業になると、何か取引をする際は相手企業の信用調査などを徹底的に行うのが一般的です。

日本であえて新聞にこだわるなら、「ウォール・ストリート・ジャーナル」など、海外の新聞を選びます。日本の新聞が取り上げないニュースが多く掲載されているというのが大きな価値。

英語圏のニュースが広く掲載されているのはもちろんですが、「海外から見た日本」のニュースをチェックすることで、視野が広がります。英語は「話せる」ことよりも「読める」ことに大きな価値があると私は考えています。

要は、日本語しか読めないと日本語に訳された情報しかインプットできないということ。それでは世に流通している情報の大半をキャッチできず、ビジネスチャンスを取り逃がすことになります。

英語ができる・できないの差は、「英会話が上手」「ネイティブみたいに発音できる」といった表層の立ち振る舞いではなく、圧倒的な情報量の差として表れます。海外の新聞を読む日本のビジネスエリートたちは、その事実をよく知っているのです。

読書が今も昔も最強

テレビは見ない、新聞も好まないというビジネスエリートが何を頼りに情報収集しているかといえば、時事的情報はインターネットで、知識や経験については読書からです。

彼らは本を大量に読み、また高速で読むという点が共通しています。インターネットや新聞、テレビに比べると、本は圧倒的に「遅い」メディアです。

「遅いのはいけない」「速いほうがいい」という価値観が浸透している昨今において、本というメディアの情報の遅さはいっそう際立っています。しかし、遅いからこそ生まれる価値があります。

2015年、トマ・ピケティの『21世紀の資本』が話題になりましたが、ピケティがこれまで研究に何年の歳月を費やしたか、わかりません。しかし私たちは本を読むことで、たった数日でその研究成果をインプットできるのです。

時間をかけて練り上げられた著者の思索が、わかりやすい文章にまとめられ、誰でも読むことができる。しかも1000円〜2000円程度で購入できる。これほど費用対効果の高い情報ソースは、本をおいてほかにありません。

書店を利用すれば誰でも平等に本を手にできますが、本の中に作者が込めた価値ある情報をどこまで理解できるかは、読み手の読解力次第。つまり、読んで内容を深く理解した人だけが他人に差をつけることができるのです。

ビジネスエリートが読書に求めているのは、「ほかでは得られない価値ある情報」だと述べましたが、私自身は2つの点を意識して本を選ぶようにしています。

一つは、「自分の専門分野の本を読む」ことです。よく売れている本を読み、売れている理由を咀嚼します。分厚い専門書もしっかり読み込むことで、自分の専門性を高めていきます。読んで理解して差をつけるのです。

もう一つは、逆に「得意分野以外の本を読む」ことです。どんなに良い本だとしても、専門分野の本ばかりでは視野が狭くなりがち。そこで専門分野以外の本を読むことにより、世間では今なにが流行っていて、人がどういうものに興味を持っているのかという情報の収集になります。

専門分野の読書だけでは、こういう情報収集はできません。広い世の中を知ることも勉強の一つ。そこから新しいアイデアが生まれます。

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(写真:mediaphotos/iStock)