データアナリストがスポーツに起こす革新とは
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スポーツの世界で「勝つためのデータ活用」をテーマに、スポーツアナリストの渡辺啓太氏と、データサイエンティストの本橋洋介氏の対談を実施しました。スポーツ界もビジネス界も同様に、分析したデータを“現場に信用してもらうこと”が一番難しいという話が印象的でした。
この「スポーツ×ビッグデータ」企画は、全3回連載で続きます。次回は実際にデータを戦術に取り入れているスポーツチームに取材します。インタビュイーです。インタビューに誘っていただいた関係者の皆様ありがとうございます。東京オリンピックの成功のため、または日本チームの好成績のためのデータ分析の仕事がしたい!そのために今後も、技術開発やスポーツデータ分析の仕事に取り組んでいきます。
インタビューで触れきれたなかったことに、1.バイタル情報や画像情報の活用 2.集客やエンタテイメント性の分析 3.(市民スポーツも含め)スポーツと健康 があります。
1は、最近は腕時計型のGセンサとかをつけてずっと過ごしていただくと人のライフログが簡単に手に入るようになったので、いわゆる「オフの時間」も含めたトレーニングメニュー作り という観点が今後広がってくると思います
2は、スポーツをビジネスととらえた時にはとても重要なことです。特に、集客は、勝てばよいだけではなく、面白いイベントを併催してくれるとか、選手がかっこいいとか、戦術が好みとか、より感覚的な要素が含まれます。観客に好まれるチームとは、などを知ることができると、そのスポーツの盛り上がりにもつながり、ひいては競技人口が増えるといったことにもつながると思います。
3は、私がラグビーチームのデータ分析をしていて知ったことですが、ラグビー選手は首にダメージが蓄積し頸椎の障害が残ることが一般人よりもはるかに高い確率であるそうです。一方でランニングなど健康によいとされているスポーツもあります。スポーツをすることで、健康になるのか、ならないのかを分析し、かりにスポーツが健康にマイナスに働くことがあるのであれば、それを防止する施策をとることが重要と考えます。
皆様のコメント、熟読させていただき、今後の活動の参考にさせていただきたいと思います。チーム戦術を人工知能が決定する日は来るかのくだりは面白いなあ。
野球ファンの間では低迷パイレーツの奇跡が注目を集めている。メジャーリーグで20年連続負け越しを喫した弱小球団は、2013年から一転、プレーオフの常連チームに生まれ変わった。
その失点阻止戦略の1つに、アウトになりやすく長打を浴びにくいゴロ率を意識した投球があった。
下記に『Slugger』2015年8月号で紹介された一節を引用するけど、こういう配球の妙を、アナリストが仮説を立てて検証するまでもなく、今後人工知能の機械学習がどんどん解明していくのでは?と期待している。
「コーチたちはアナリストに次のような理論を実証するよう求めた。
まず内角を攻め、その後に外角へ投げたらどうなるのか? 早いカウントで内角を攻めることの心理的な影響は数値に現れるのだろうか? コーチたちは、内角攻めによって打者は萎縮し、スウィングの威力も弱まり、結果としてゴロを打つ確率があがる、と考えた。このことを裏付けられるかどうか、手に入る投球追跡データをすべて調べ上げるよう、コーチたちはフォックスとフィッツジェラルド(※パイレーツのアナリスト)に依頼した。その結果、確かに早いカウントで内角を攻められた時のゴロ率は上昇していることが分かった。コーチ陣はそのデータを疑い深い投手たちに渡した。自分たちの考えは、確かなデータに裏付けられたのだと。このようにして投手たちも新しい方針に納得した結果、13年のパイレーツ投手陣はMLBシーズン記録となる53%ものゴロ率を記録した」