何を読むかよりも、読まない本を決めたほうがいい
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注目のコメント
橘玲さんの著作はほぼ全作読んでいます。専門の方からすればツッコミどころ満載なのだろうと想像しますが、私のように浅薄な人間にとっては世の中の見取り図を与えてくれるという点で氏の著作はとてもありがたいですし、これくらいで事足ります。本当の「キュレーター」とは、橘さんのような方を指すのではないでしょうか。国立美術館のキュレーターというよりは、街場の私設美術館のキュレーターといった感じ。
小説『マネーロンダリング』も痺れましたが、これくらい幅を持って語れる人間になりたいものです。
山崎さんの著作も、「逆ポジショントーク」とでも呼ぶべき身も蓋もないややシニカルな内容は個人的にツボです。
今回の選者である吉本さんの『スタバではグランデを買え』も非常に好きな本でした。「経済学の内容の中で比較優位くらいは覚えておいた方が良い」という記載があったように記憶していますが、これは本当にそう思います。読書冊数が増えてくると、何となくですが、良い本に巡り会う頻度が増えてきます。やっぱり数をある程度こなさいとね。
ちなみに、どんなに良書でもインプットするだけではただの自己満足に過ぎず、いかにアウトプットするかが勝負だと思っています。アウトプットなしだと、優れた本を何冊読んでも意味はないかな、と。橘玲さんの指摘する「読まなくても良い本」とは難解になり過ぎ自家中毒を起こしつつある現代哲学についてですね。
確かにドゥールズ・ガタリの著作なんてのを一生懸命理解しようとしたら時間がいくらあっても足りない。
その代りゲーム理論や複雑系などの新しい学問の概念を使えばスッと理解できると。
80年代に流行したニューアカデミズムは難解な言語で知的コンプレックスを刺激する「装置」でもありましたが、著者自身もそこにハマった自分に対する「反省」を語っているように読めました。
橘玲さんや山崎元さんのように、「事実は案外そっけない」という事を軽妙な筆致で語れる方はやはりプロだなと思います。