【藤田晋】90億円の大勝負。動画プロジェクトは僕の集大成になる

2016/3/8
サイバーエージェントが本気で動画プロジェクトに挑む。2016年1月にスタートした動画配信プラットフォーム「Ameba FRESH!(アメーバフレッシュ)」に続き、4月にはテレビ朝日との合弁で「Abema(アベマ)TV」をスタートする。なぜ今、動画なのか。サイバーエージェントの藤田晋社長を直撃した。  

機は熟した

──今年度、サイバーエージェントは動画を中心に90億円を投資すると発表しています。なぜ今のタイミングで動画に注力し始めたのですか。
藤田 ずっと動画の事業は探り探りやってきました。
過去にも、メールビジョン(メールで映像や写真、画像、漫画、音楽などのコンテンツを受け取れるメールマガジン型のサービス)を2002年前半に立ち上げましたし、ユーチューブやニコニコ動画が盛り上がり始めた2006年には、AmebaVision(アメーバビジョン)という動画配信サービスを始めました。
しかしどちらもうまく立ち上げ切れず、撤退しました。特にメールビジョンは、ナローバンドからブローバンドに移行する時期を狙ったのですが、なかなかうまくいかなかった。
しかし、自分の体感として、スマートフォンが出てきて、特にインフィード再生が出てきたことによって、「機が熟した」という感覚があります。
1つだけ残っている大きな懸念が、スマホの通信量の制限。その点だけは、目をつぶってスタートを切っている感じです。