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そもそも何かを見るとはどういうことだろうか。

 物質というのは、端的に言うとエネルギーの塊だ。エ
ネルギーを持っているということは温度をもつというこ
とだ。そして、その温度にみあう電磁波の放射がでる。
僕らの目はその電磁波をキャッチして、そこから形や
色などの物理情報を得ている。望遠鏡も基本的には同じ
仕組みだ。つまり、キャッチした電磁波の情報から天体
の物理情報を知ることができるのだ。

 天文学的な意味での電磁波には波長ごとに、可視光や
X線などと5種類があり、使用する望遠鏡も異なる。例
えば、ハッブル宇宙望遠鏡(#1)は可視光をキャッチし
、今回のひとみ(#2)はX線をキャッチする。物質がX線
を放射するのに必要な温度は一千万度以上である。つま
り、X線望遠鏡で見える天体や天体現象は一千万度以上の
温度をもっていることになる。

 ダークマターは、簡単にいうと重力の影響しか受けな
い物質のことだ。その正体はある種の素粒子だと考えら
れているが、未だ謎だ(#3)。電磁波では見えないので
、X線でダークマターを調べるとはどういうことなのだ
ろうか?

 実は、銀河や銀河団には大量のダークマターが存在し
ていることがわかっている。そうしない説明できないこ
とがたくさんあるからだ(#3)。特に、銀河団からは
X線を放射する大量のガスが見つかっている。この高温
ガスをつなぎとめておくのがダークマターの重力だ。ガ
スと重力エネルギーには一定の関係がある。すると、
「ひとみ」によって高温ガスの物理情報が分かると、
ダークマターの分布や質量が推定できる、という寸法だ。

 日本のX線天文学は世界をリードしている。とくにX線
衛星は70年代後半のはくちょうにはじまり6世代目だ
(#2)。日本のサイエンスの中では世界的に成功してい
る分野といっていいだろう。今後のひとみの活躍に多い
期待しよう。

【参考文献】
#1
https://www.nasa.gov/mission_pages/hubble/story/index.html
#2
http://www.jaxa.jp/projects/sat/astro_h/index_j.html
#3
http://arxiv.org/pdf/0903.4849v4.pdf