豪華キャスト、金融エンタメ映画『マネー・ショート』は買いか
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注目のコメント
実はアカデミー賞レースに本作が絡んでいたことも知らず、事前情報を殆ど入れずにみたので、よい意味で期待を裏切られる体験をしました。
映画のエンドロールを見ながら、自分のインナーで何かが起きたかどうか。私は人に薦める映画かどうかの評価軸を最後はそこに置いているのですが、今回はこちらに書いたような、ザワっとしたさざ波が立ちました。でも、重すぎない。リフレッシュもできたんですよね。絶妙だなと思いました。徹底した役作りでしられるクリスチャン・ベールは、本人に1日密着し、片目を動かさない演技(本人が義眼のため)を身につけたのだとか。劇中で着ているTシャツとカーゴパンツは、本人に頼んで譲り受けたものだそうです。
ウルフ・オブ・ウォールストリートが狂乱の金融市場と共に精神のバランスを崩していく、主人公の描写に力を入れたのに対し、この映画は主人公達は皆キャラが立ちまくっているのに、そこよりテーマ性の描写を優先したので、「映画にカタルシスを求める」向きには「ちょっと違うなぁ」と思われるかもしれませんが、私は結構好きでした。
また使われる音楽がいちいち効果的。音楽使いの名手タランティーノが、自身のフェティズムをそこに見出すとすれば、この映画は音楽がシーンごとのメタメッセージになるようによく練られていました。
ただ日本食レストランのシーンで流れていた徳永英明だけが不可解だったのですが(笑)、あれはアメリカにある日本食レストランの「ちょっとしたズレ」だと理解しました。