【藤田晋】いま私が22歳だったら、リクルートに行く

2016/2/27
第一線で活躍している経営者たちは、いま就職活動をするならば、どんな企業を選ぶのだろうか。サイバーエージェント社長の藤田晋氏に聞いた。

リクルートが突出している

もし僕がいま22歳で会社に入るなら、正直サイバーエージェントが良いという思いはありますが、そうじゃなければリクルートですね。僕から見ると、リクルートとほかの企業とでは、人材に対する考え方が「宗派が違うくらい」異なっています。
人材に関する企業の考え方には、大きく分けて2つのタイプがあると思います。
一つは、良い人材を採用し、育て、その意欲を引き出すことを重視する。業績を伸ばすために、人に事業を合わせていくタイプの企業です。
もう一つは、経営者の経営戦略がものすごくしっかりしていて、その強いリーダーシップのもとで、人材を役割分担的に採用するタイプの企業です。
それでいうと、リクルートは、人材を大事にするところと、しっかりした経営戦略を持ち利益を上げているところの両方がある。ちなみに、ここで言う「人を大事にする」とは、過保護という意味ではなく、人材が活躍できる環境を用意しているということ。この点において、日本企業で突出しているので、おのずと力はつきやすいと思います。
僕は大学時代、広告代理店で2年半アルバイトした経験があり、新卒で入社したのはインテリジェンス。いずれも経営陣はリクルート出身でした。
2社ともリクルートを大いに参考にしてつくったような会社で、僕もまた、そこから学んで会社をつくりました。その意味で、サイバーエージェントがリクルートの影響を受けているのは間違いないですね。
リクルート出身の人たちに囲まれながら働いて感じたのは、若いときから活躍したいという意識が非常に強いこと。僕もその点だけは譲れないと考えるようになりました。