北朝鮮が平和協定交渉を提案、非核化含まれず米国は拒否=国務省
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WSJの記事について米政府の認識と行き違いが生じている。WSJは年初に米朝が平和協定の交渉入りを合意し、これが「戦略的忍耐」からの転換だった、という位置付けをした。それに対し、米国務省は提案をしたのは北朝鮮で、米側は非核化を条件として、北朝鮮側が返答を受け入れなかったとしている(=なんら政策的転換はない)。
おそらく米国務省側の声明が正しいのだと推測する。ただ1月6日に核実験が予定されていたことを鑑みると、北朝鮮側の提案は単なる陽動(米側の態度を見定める)であった可能性が高い。だとすると、今回の情報リーク元も米政府を揺さぶり北朝鮮の行為を正当化しようとする、北朝鮮政府関係者ということではないだろうか。アメリカは北朝鮮の核開発を容認している。だから核開発を続ける北の現状維持を望んでいる。現状を維持する理由が北朝鮮の非核化である。これは北が応じないから現状維持が続く。アメリカにとって北朝鮮は脅威ではない。日本など周辺諸国が脅威を感じアメリカに助けを求めることがアメリカの国益だ。そして北の非核化を話し合うことによって、日本や韓国などの核武装を封じたいと思っている。
北朝鮮はアメリカに交渉を要求しているが、アメリカが交渉に応じず、北朝鮮をやがて軍事攻撃すると国民に説明して、核開発を続ける。北の生活が豊かにならないのは金正恩のせいではなくアメリカなど外国のせいだとすることが出来る。そして一時的に経済制裁などを受けても、長期的に諸外国の支援や譲歩を引き出すことが出来ると踏んでいる。核を持てば国際政治を動かす世界の大国になれると考えているのだ。日本も北を非難するだけにとどまるのではなく、北に脅かされない国家安全保障を考えるべきだ。政治家よ、目を覚ませ。これ自体は、いくつかのメディアで情報が錯綜しているようなので、まだハッキリしたことは言えないよう。
ただ難しいのは、いくら国連や「日米韓」3か国が安全保障で協力を強化して、北朝鮮に非核化を迫っても、その向こうには「中国」がいることだ。
3か国の協力強化は、結果的に中朝関係の回復をもたらし、北朝鮮の核やミサイル強化にも口実を与えかねない。なんとかして、いまあえて傍観者を決め込んでいる中国を、こちらに引き寄せられればいいのだが…