“曇り空”の太陽電池市場 需要低迷で工場休止、海外事業などに活路
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この記事に書いてあるように、太陽電池市場の低迷の主因が、太陽光も含めた再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)による買取規制運用の厳格化だとするならば、この市場は結局、公的支援依存に過ぎなかったということ。
FIT環境が厳しくなったというのは、その公的支援が縮減されたことと同じであり、その分の義務的な国民負担が軽減されることにも同じ。
国のエネルギー政策、産業政策、環境政策その他の価値基準に照らすと、今後当面は、太陽光市場への公的支援が拡大されることにはなりそうにない。
むしろ大幅縮減の方向となる。それを覚悟すべしというのが、今国会に提出されている再エネ特措法改正案の趣旨である。
http://www.meti.go.jp/press/2015/02/20160209002/20160209002-2.pdf
太陽光など再エネの振興のためにも、私は、この改正法案には概ね賛成する。通信ネットワークはもともと双方向にできていますが、電力は100年以上も片方向だけでやってきたので、逆方向の電気やちょこちょこした中小ソーラー設備の電気を取り入れるインフラが整備されていません。電力会社が電気を買い取るには、そのためのインフラを新しく作らなければいけないので、膨大な設備投資がかかります。しかもソーラーは発電が不安定なので扱いが難しい。だから、本来なら電力会社はやりたくありません。「素人が作った電気はいらない」というのはそういう意味ですが、カリフォルニアでは州の規制で推進しないといけないため、パネル単体ではなくシステム全体で動かす種々の技術的対策が研究されています。
一方アメリカのメガソーラーでは、天候予測や立地条件をインプットして耐久年数全体にわたる将来売上を予測して証券化してファイナンスする手法や、遠隔地にある多数のパネルを遠隔で管理する技術などが研究されています。
シリコンバレーでは、ソーラーパネルそのものは安い中国製を買い叩き、価値はソフトウェアで生み出すという戦いになっています。相変わらず日本では、ソフトウェアまで含めたシステム全体で価値を出す、という論調がこの記事でもありませんね。太陽電池による発電は、金銭面でもエネルギー面でも投下コストと回収量のギャップが気になっていました。
一定規模で十数年以上の稼動実績があまりないと思いますが、メンテコストや次第に低下する発電効率など、課題はまだ多い段階だったのではないでしょうか。
次第に市場が拡大する中で開発が進めばよかったのが、固定価格買取制度(FIT)で先の需要も先取りしてしまい、一気に拡大して一気にしぼんだという印象。
固定費の高いビジネスモデルでこうした需要の急変は、日本メーカーのもっとも不得意とするところだと思います(シャープなどもその一つ)。
初期投資額が非常に大きい事業なので、海外でもどこまで需要があるのか不安です。