後世に何を残したいか

2016/2/15

懐疑主義は必要か

佐藤 竹中先生は、自分が信じていたものがニセモノだったと感じることはありましたか。今まではこういう信念のもとにやってきた。でもメカニズムを理解してみたら、自分が真実だと思っていたものは、たいして大事ではなくて、裏切られたような気持ちになるようなことが。
竹中 システムとか主義とか、そういうものに関してはないですね。人はありますよ。こういう人だと思っていたのに違ったことはあります。
ヨーロッパでは、よくケンブリッジ大学の考え方とオーストリアのウィーン大学の考え方が比較されるんです。
ケンブリッジは、ケインズに象徴されるように徹底的な合理主義。人々は賢くて、しっかりと考えて行動すれば正しい結果が出るという考え方。それに対してウィーン大学の懐疑主義は、人間が考えることなんて限界がある。そういう謙虚さが必要だというものです。