アサヒが欧州ビールブランド買収で基本合意、海外市場強化狙う
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2社で4000億円超の先の報道からすると低い価格での妥結。それでも2社の営業利益140億円の20倍はゆうに超える。インベブはSABミラー買収に金が必要だし、すでに規模競争から効率化フェーズに入っているのでカーブアウト、現金化メリットは大きい。一方のアサヒは、欧州老舗企業にアサヒを売ってもらうよう協力を得るには、2社に次の夢を見させてあげられるようなストーリーが作れるかが分かれ目。この半年が肝心です
事前報道の通り決定となりましたね。ただ買収額は3297億と事前報道よりは下がっています。
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【世界のビール再編】
昨年から世界のビール業界では再編が加速しました。世界シェア1位(21%)のアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ベルギー)が2位(10%)の英SABミラーを買収して世界シェア30%の世界最大のビール会社が誕生したことは記憶に新しいです。
【SAB傘下2社を売却】
しかし米国やEUの独占禁止法引っ掛かる恐れがあるため、ABインベブ&SABグループはSAB傘下の伊ペローニと蘭グロルシュの2社を売却する方向で動いていました。
【アサヒが名乗りを上げ買収か】
そこで今回、アサヒが「ペローニ」と「グロールシュ」、「ミーンタイム」など欧州4事業を3297億で買収して欧州進出を目指すとのこと。アサヒがM&Aを推し進めたい背景には高齢化によるマーケットの縮小が挙げられます。海外に出て行かざるを得ないのです。
【世界の規模の壁を崩すには】
世界のビール市場はもはや規模の戦いになってきており、中国勢の急進も脅威になっています。アサヒの世界シェアはたったの1%台、仮にM&Aをしたとしても規模では勝負にならない状態です。しかし日本国内の競争で培われた味や品質は世界でもトップクラス。この高品質を武器にまずは欧州から攻める戦略だと思います。ビール業界のM&AではEBITDA倍率で12倍が相場のようだが、今回のケースは17~21倍。ABIがSABミラーを買収したときのディールが17倍だけど、それはビールは装置産業ゆえ醸造効率アップによるコスト削減が大いに見込めてのこと。アサヒは欧州に基盤を持たぬゆえ、そうしたコスト削減は期待できない。今回の買収額を正当化するには、上乗せで欧州でのビジネスを作る必要があるが、その絵が描き切れるかがカギ。