普通鋼電炉12社の4~12月期は9社増益、1社黒字化
2016/02/10, 日刊鉄鋼新聞
普通鋼電炉メーカー12社の15年4~12月期決算が9日までに出そろった。建設需要の低迷で製品の販売量、価格とも落ち込んだが、主原料である鉄スクラップ価格も大幅に下落。各社とも軒並み減収ながら、メタルスプレッド改善が寄与して経常ベースで9社が増益、朝日工業1社が黒字化と利益面は堅調だった。16年3月期通期でも9社が経常増益を見込んでいる。
4~12月の鋼材販売量は、東京製鉄が158万7千トンで前年同期比11万2千トン減、共英製鋼が122万9千トンで同2万9千トン減、合同製鉄が74万6千トンで同7万8千トン減など。
下期に期待された建設需要は先送りされ、需要見合いの減産対応で各社とも販売量が減少した。需要低迷と原料安を受けて販売価格も下落し、4~12月の販売単価は東京製鉄が6万4400円で前年同期比8100円下落、共英製鋼が前年同期比で8700円の下落、合同製鉄が6万4800円で同6200円下落などとなった。数量減と販価下落により11社が減収。前年同期が雪害による製鋼休止で販売減となった朝日工業のみが増収だった。
一方、主原料の鉄スクラップ価格は10~12月も下げ基調が続き、炉前価格は1万5千円を割り込むまで下落。12月には小幅な値戻しもあったが、4~12月の鉄スクラップ購入単価は各社とも前年同期比で1万円強の下落となった。販売価格の下げ幅を上回って原料価格が下落したことでメタルスプレッドが改善。利益を押し上げる要因となった。数量減や販価下落が響いて大阪製鉄と東京鉄鋼はわずかに経常減益だったが、ROS(売上高経常利益率)は大阪製鉄が15・1%で前年同期比2・1ポイント高、東京鉄鋼が7・6%で同1・4ポイント高とともに上昇。ROSは大阪製鉄のほか、大和工業や東京製鉄、中部鋼鈑、東京鋼鉄も2ケタ台だった。
16年3月期通期の業績予想は決算と同時に5社が修正を発表。共英製鋼は売り上げ、利益とも上方修正。中山製鋼所と大阪製鉄、東京鋼鉄の3社は売り上げを下方修正し、利益を上方修正。東京鉄鋼は売り上げ、利益とも下方修正した。
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