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オリジナル番組を使い、潜在的な会員を誘い込む

グーグル傘下のYouTubeは2月10日、月額9.99ドルのサブスクリプションサービス「YouTube Red Originals」の番組第一弾として、映画3本とアドベンチャーシリーズ1本を公開する。狙いは、この有料サービスに顧客たちを誘い込むことだ。

YouTubeがブログ投稿で明らかにしたところによると、同社が資金提供した番組には、テレビゲームの実況で旋風を巻き起こしたスウェーデン人の「ピューディパイ」(PewDiePie:本名はフェリックス・チェルベリ)が登場するシリーズ『Scare PewDiePie』や、人気ユーチューバーであるリリー・シンを追ったツアードキュメンタリー『A Trip to Unicorn Island』などがあるという。

番組はすべて、米国ではYouTubeの有料バージョンである「YouTube Red Originals」の会員のみに配信されるが、米国外でも購入できる。

YouTubeは、YouTubeから生まれたスターたちがさらに多くの制作費を得ることでたくさんの若いファンたちに番組を有料で視聴する気にさせることができるかどうかを試している。ネットフリックスやアマゾンと同様にYouTubeも、オリジナル番組を使って潜在的な会員を誘い込もうとしているのだ。

ピューディパイのYouTubeチャンネル登録者数は4200万人近くに達しており、シンのチャンネルも約800万人が登録している。

「視聴者数はすでにケーブルテレビ並み」

YouTubeでオリジナルコンテンツ担当グローバル責任者を務めるスザンヌ・ダニエルズは、ブログ投稿で次のように書いている。

「これらの映像作品を支えている多彩でダイナミックなクリエイターたちは、すでにYouTubeで大規模なオーディエンス層を構築しており、多くのケーブルテレビ番組と肩を並べている。YouTube Red Originalsでは、彼らがより壮大かつ大胆なストーリーを伝えることで、皆さんをはじめファンの方々を喜ばせることができるように支援したい」

オリジナル番組は、YouTubeが有料サービスの売り物としている特徴のひとつだ。この有料サービスでは、グーグルの音楽サブスクリプションサービスをエンターテインメント、ニュース、ミュージックビデオと組み合わせている。

会員は広告のないYouTube動画を視聴したり、携帯電話上で他のアプリケーションを使いながらバックグラウンドで動画や音楽を再生したりできる。

YouTubeは2011年、よりオリジナルな番組制作を目指したチャンネルに膨大な金額を投資したことがある。このときは、マドンナやソフィア・ベルガラ、アシュトン・カッチャーなどが資金提供を受けて各チャンネルに出演した。

2月10日に開始されるYouTubeの映画ラインアップには、YouTubeチャンネル「AwesomenessTV」(ドリームワークス・アニメーションSKGが買収したため、現在は同社のメディア部門)の長編映画『Dance Camp』も含まれる。

さらに、ルースター・ティース(Rooster Teeth)プロダクションズとフルスクリーン・フィルムズ(Fullscreen Films)によるアクションコメディ『Lazer Team』も公開する(劇場でも公開中)。『Scare PewDiePie』は、『ウォーキング・デッド』の制作者やエグゼクティブ・プロデューサーが手がける作品だ。

原文はこちら(英語)。

(原文筆者:Lucas Shaw、翻訳:湯本牧子/ガリレオ、写真:hocus-focus/iStock)

©2016 Bloomberg News

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