ロボットに触覚を与える超小型センサ。質感のデータ化で触覚の伝送やVRでの活用も視野
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こういう形で触覚技術がどんどん世に出ていき注目されていくのは,我々としてはとても嬉しいことです.
とはいえ,本当にヒトのように触り心地を検出するというのは,やっぱりまだまだ難しい課題ではあります.
うちの研究室の篠田教授が以前,
”篠田裕之: ヒトのように触れる,日本バーチャルリアリティ学会誌,Vol. 12, No. 3,pp. 26-31,2007.”
http://www.hapis.k.u-tokyo.ac.jp/public/hiroyuki_shinoda/research/pdf/07VR.pdf
での解説記事内で,ヒトの触覚を元に,超理想的な触覚センサのスペックを考えるとしたら以下のようになると述べています.
<完全触覚センサ>
(1) 皮膚表面でのサンプリング間隔は 1 mm 以下
(2) 各計測点において力の 3 次元ベクトルが計測される
(3) サンプリング周波数は 1 kHz 以上
(4) 計測精度は 16 bit 以上
(5) センサの弾性的性質が皮膚と同等であること
(6) センサ表面の摩擦特性が皮膚と同等であること
これらを全て満たすのは,まだまだ先の話です.
実用的には,このどこかの特性にフォーカスして,実現するというのが現実的です.
すべり覚の検出については,電通大の下条先生がかなりやられています.
http://www.rm.mce.uec.ac.jp/sj/index.php?%A4%B9%A4%D9%A4%EA%B3%D0%A5%BB%A5%F3%A5%B5
動画
https://www.youtube.com/watch?v=ueSl7pWb8pc
https://www.youtube.com/watch?v=cu18UJk3eZ8
触感の定量化については,慶應の前野隆司先生が有名です.(最近はやられていませんが)
触覚は対象に直接接触する必要があるため,表面を柔らかなもので実現しようとする場合,実用化という観点で見ると,どうしても繰り返し利用可能であるかどうかという点が弱くなってしまいます.その辺りが解決するか,あるいは毎回使い捨て的に利用できるようになるかなど,もう少しの進歩が必要かと思っています.触覚の再現は、VRの最後のピースですね。
これができるようになれば、VR内なのにあたかも現実にいるかのようにショッピングができたり、ゲームもよりリアルな体験が味わえたりするようになります。あ、レシピサイトなんかでも「このくらいの硬さになるまで混ぜてください」とかできるようになるかも。
とにかく無限の可能性がある分野なので、期待せずにはいられません。