「銀行に足りないのは遊び心」。みずほが外部連携を強化する理由

2016/1/29
特集の最終回に登場するのは、みずほフィナンシャルグループでインキュベーションPT(部門横断型で新規事業に取り組む組織)の責任者を務める阿部展久氏。フィンテックの新たなサービスを広めるにあたり、「遊び心」の要素は不可欠だと語る、その真意は。LINE Payから新興デザイン企業まで、みずほが積極的に外部連携へと乗り出している理由が語られる。

優先順位が高いのは決済領域

──みずほフィナンシャルグループのインキュベーションPTとは、どういう位置付けの組織ですか。
阿部 みずほは、銀行、信託、証券を中核子会社とする総合金融グループです。
当グループでは、グループ横断的な戦略・企画の立案・推進を行う体制をとっており、ビジネス戦略の推進単位として「ユニット」を設置していますが、このPTはどのユニットにも属さない独立した組織です。
担当部門だけでテクノロジーの潮流を追いかけると、おのおのの専門分野を中心にフォーカスを当てるので、どうしてもムラが出てしまう。
そこで私たちのPTは、銀行・信託・証券の各事業領域の担当部門と連携しながら、グループ全体のテクノロジーのソーシング機能を果たし、各事業領域のハブになる役割を担っています。
──現在みずほでは、フィンテックを領域ごとにどう捉えていますか。