「先見力」とは何か

2016/1/11
政治・経済・ビジネス・サイエンス・学問。あらゆる領域で、グローバル化が進行している。ただし、今のままでは、日本と日本人は世界での競争に勝つことはできない。日本人が世界で成り上がるには、これまでの成功体験を捨て、新しいメンタリティや方法論を身につける必要がある。
世界を舞台に活躍する慶應義塾大学教授の竹中平蔵氏とメタップス社長の佐藤航陽氏が、リーダーシップ、教養・哲学、テクノロジー、先見力などの切り口から世界を語る。第4弾では「先見力」をテーマに語り合う。
(聞き手:佐々木紀彦・NewsPicks編集長)

先見力は4次元で捉える力

佐々木 本連載では、「新しい時代のグローバルリーダーの条件」というテーマでお話を伺ってきました。
「リーダーシップ」「教養・哲学・ビジョン」「テクノロジー」に続く最後のテーマとして、「先見力」という軸からお二人にお話しいただければと思います。
リーダーは、短期的にも中長期的にも未来を正確に見通す能力が大切です。特に今の日本のように、将来どうなるかわからない時代には重要な資質と言えます。
たとえば、作家の塩野七生さんは著書の中で、「人間ならば誰にでも、現実の全てが見えるわけではない。多くの人たちは、見たいと欲する現実しか見ていない」というカエサルの言葉を引用しています。
逆に、英雄になる人たちは、凡人には見えないものを見て、それを大衆に語りかける言葉を持っている人なのだと思いますが、お二人は先見力というものを、どういうふうに捉えていますか。