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2016年には何が起きるか?

今年について予想するより、中~長期的な未来を予想するほうが簡単かもしれない。あと10年もすれば、深夜の新年パーティーのあとは、自動車に指示を出すだけで自宅に連れて帰ってもらえるようになるだろう。

あるいは、2カ月ほど前のディナーの席でとある生命科学分野の投資家の隣に座ったのだが、その投資家によれば、今後10年でがんは治療可能な病気になるという。そうした進歩は驚異的なことに思えるかもしれないが、実現はもう目前に迫っている。

けれども、いま我々が生きている2016年に何が起きるのだろうか? それを予測するのは、少しばかり厄介だ。とはいえ、いくつかの予想を立ててみた。

(1)2016年には、「オキュラス・リフト」がついに発売される。リフト用のゲームやバーチャルリアリティ(VR)アプリもリリースされるだろう。最新の情報によれば、コントローラーの「オキュラス・タッチ」は、リフトと同時には発売されず、リフト発売後の2016年内にリリースされるという。

おそらく、当初のオキュラスは、期待はずれのものになるだろう。オキュラス技術はあまりにも大きな話題になっているため、その期待に応えるのは難しいからだ。

初期の使用形態としてもっとも有望なのがゲームだが、みんながみんな、ヘッドセットを身に着けてゲームをしたいと思うわけではない。おそらく、もっと自然な形で利用する方法が発明されるまでは、VRがその真の潜在能力を発揮することはないだろう。

(2)2016年には、新しい形のウェアラブル端末が勢いづきそうだ。手首以外の場所にコンピューターを身に着けたいと思う人もいるはずだ。あえて予想するなら、耳の中に入れたり耳につけたりする端末に1票を投じたい。

(3)2016年には、「IT界のビッグ4」の一角がつまずくかもしれない。個人的には、アップルだと予想している。アップルは2015年に思うような業績をあげられなかった。おそらく、2016年はさらに悪くなるだろう。

(4)商業目的のドローンに対する米連邦航空局(FAA)の規制は、ドローン業界にとっては恩恵になるだろう。というのも、あらゆる用途でのドローン飛行を法的に認めたうえで、許可されるものとそうでないものを区別する明確なルールができるからだ。

(5)ソーシャルネットワーク内部での「コンテンツのパブリッシング」が流行する(なかでも人気が高いのがフェイスブックだ)。そして、この流行を効率的にマネタイズできないパブリッシャーの多くが苦境に立たされそうだ。この結果、少なくとも1社の有名パブリッシャーが破綻するだろう。

(6)タイム・ワーナーの有料テレビチャンネル部門「HBO」が分離独立し、ネットフリックスと直接対決するライバルが誕生するだろう。独立後のHBOは、独立前のタイム・ワーナーの全事業よりも時価総額が高くなるかもしれない。

(7)手数料や出品料が不要の、ビットコイン専用の分散型オンライン・マーケット「オープン・バザー(OpenBazaar)」の登場により、ビットコインはついにキラーアプリを獲得しそうだ。

オープン・バザー関連のサービスを提供するOB1が、ユニオン・スクエア・ベンチャーズ(USV)の出資する会社だという点にも注目してほしい。

(8)企業向けチャットサービス「スラック」が企業に広く普及した結果、スパムが問題になり、サードパーティーのスラック向けスパムフィルターが登場するだろう。それと同時に、スラックのプラットフォームが活気づき、「スラック用ボット」の開発が、企業向けソフトウェア分野の次なる大きな流行になりそうだ。

(9)ドナルド・トランプ氏が共和党の大統領候補に指名され、同氏は、移民労働を支持するハイテク業界を攻撃するだろう。その結果、ハイテク業界はヒラリー・クリントン氏の支持に回り、クリントン氏が女性初の大統領に選出されるだろう。

(10)VC各社は、フィデリティ・インベストメンツにならうかたちで、投資先の評価額をアグレッシブに引き下げ始め、熱狂的な値下げの波がベンチャーキャピタル(VC)業界を直撃するだろう。

そうした評価額のデータをクランチベースが集め始め、新興企業セクターの事実上の「yahoo!ファイナンス」的存在になる。ハイテク新興企業の社員は、自分たちの持つストックオプションの価値が激減したことに気づき、群れをなして会社を去り始めるだろう。

ここに挙げた予想のなかには戯言すれすれのものもあるが、それには意図的なところもある。とはいえ、すべての予想に一抹の真実(少なくともその可能性)が含まれているはずだ。1年後にこのリストを見直し、結果を検証してみようと思っている。

それでは、みなさんの2016年が幸福で健康な年になりますように。

原文はこちら(英語)。

(原文筆者:Fred Wilson、翻訳:梅田智世/ガリレオ、写真:encavolrab/iStock)

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This article was produced in conjuction with IBM.