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本記事の編集を担当した川端です。混迷を深める中東情勢ですが、安易にスンニvsシーアでは語れません。中東研究者の末近浩太先生(立命館大学教授/ロンドン大学研究員)に緊急にコンパクトな特別寄稿を頂きました。今後の中東情勢を見る上で、重要な指摘が含まれています。是非、お読み下さい。

(追記)フィフィさんのブログもそうですが、この見方は中東専門家の間ではコンセンサス的な見方です。その見方が日本ではベースの知識にはまだなっていない、ということについて、私は危機感を抱いていました。それが、末近先生に寄稿を依頼した動機です。国際線の移動を控えていたにもかかわらず、依頼から数時間程度で御寄稿を頂きました。

記事末尾で紹介した記事とその他参考記事を下記に挙げておきます。
2016年1月6日「サウジのイラン断交。専門家はこうみる(東京大・辻上奈美江)」
https://newspicks.com/news/1331122
2015年12月2日「パリ・テロ後の世界、日本の対応(1)プロピッカー菅原出に聞く」
https://newspicks.com/news/1278527
2015年12月3日「パリ・テロ後の世界、日本の対応(2)ロンドン大末近浩太に聞く」
https://newspicks.com/news/1280593
2015年12月4日「パリ・テロ後の世界、日本の対応(3)中東調査会高岡豊に聞く」
https://newspicks.com/news/1282630
下記記事も合わせて。専門家や現地の方の声が大分出てきて、宗派対立というのが原因でないこと(というか、そこが第一因ではない)が分かってきた。一方で、多分一般的には特に日本では宗派対立ととらえられているのだろう。情報をちゃんと収集することが重要だし、こういう時にPicksは本当に強いなぁと感じる。
https://newspicks.com/news/1335907?ref=user_100438
スンニ派とシーア派を宗教対立で捉えるのは間違いというのが通説です。
宗教対立ではなく経済対立。
経済的に利害が一致すれば宗派は関係ないそうですし・・・。
サウジとイランはいずれも中東地域の大国ですから、覇権争い的な側面が大きいかと。
現状のサウジとイランの関係については記事にあるとおり。

ひとつ付け加えれば、記事ではあたかもスンニ派とシーア派が争わないかのように書かれているが、言葉通りの争いごとまでは行かなくとも、スンニ派がシーア派に対して持っている「生理的嫌悪感」は事実存在する。
残念ながら、この感覚はムスリムでなければ理解しづらく、例え改宗した人であってもムスリム社会にムスリムとして暮らしていなければ肌で感じ取れないものだと思う。
「サウジアラビアとイランの対立を生み出しているのは、宗派の違いそれ自体ではなく、外交・安全保障上の相互不信である」と。

フィフィさんのブログも大変分りやすかったので、併せて参照したい。
【国際】私は現在の中東の混乱を単純化された「宗派対立」だとは考えていないが、混乱の原因に「宗派対立」が全く含まれないと考えているわけでもない。国家間の対立の根底には須らく「パワー」の対立があるという立場だが、それを補完するものとして政治、経済、文化、宗教と関連する価値観や理念の対立も存在し、国家間の対立というものは総体的かつ複合的なものであると考える。

サウジとイランの対立の根底にあるものは両国の勢力圏争いであると考えるが、スンニ派とシーア派という宗派対立、アラブとペルシャという民族対立、絶対王政とイスラム共和制という対立、国際原油市場におけるシェア争いといった様々な対立が両国間の対立をさらに深めることにつながっている。両国間の対立を精確に把握するためには、様々な角度から精緻に分析し、構造化を図る必要があると考える。
米ソ冷戦時代と同じく、中東地域においてサウジ・イランという2大国の対立が大きな紛争を防止する冷たい平和を実現してきたという論考は勉強になりました。そして、その構造は今も維持されているということかな。
イランとサウジの対立のそもそもの原因は根深い”相互不信”、また経済情勢の変化による中東のパワーバランスの崩れからといったところでしょうか。”「宗派対立」は原因ではなく結果”というのはたしかにその通りだなと。”「宗派無関係論」も、「宗派対立論」への対抗言説としては有意義であるが、釈然としないところが残る”のはあきらかなので、結局対立が強まった結果「宗派対立」を両国政府が利用していると考えるほうが自然ですね。
テレビ、雑誌で言われているような宗教対立だけでなく、地域覇権の争い、冷たい平和との言葉が分かりやすかった

ブラジルにいながらも、中東情勢が考察できるのもNPのおかげ! ありがたや!!