今年は転換期、改めて問われる「リアル店舗」の意味(川島蓉子)
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1/4の日経新聞には、イオンの店舗抜本的再構築の記事が掲載されていましたね。それによると、「食品、衣料、家電などを総合的に扱うことにこだわらず、地域の客層や競合店の状況を踏まえながら、店舗ごとに売り場の専門性を高めて集客力を取り戻す」とのこと。他の大規模スーパーも変容がありそうです。
リアル店舗の優位点について2つ、2016年予測の本記事では書かれていますが、その他にもう2つ加えるとすれば「地域性」「居心地の良さ」ではないでしょうか。コメント欄で牧田氏が指摘されているが、店舗にたどり着くまでに消費者が費やした時間や交通費を回収するに足る効用が果たしてリアル店舗で得られるのか。
この厳然たる命題に対する既存プレイヤーの模範解答は、「心をこめたおもてなし(接客力)」と「他店とは一味違う品揃え(編集力)」であることが多い。
なぜかというと、これまでのビジネスモデルを維持しようとするとこれしか答えようがないから。
マーケティングの世界では、伊勢丹のバイヤーやユナイテッドアローズの店員さんが具体的な優等生として取り上げられますが、それらは所詮、耳障りの良い現状肯定に過ぎない。残念ですが。
まさしく「イノベーションのジレンマ」とか「サンクコスト効果」と呼ばれる窮状なわけですが、まずは現実を直視することが肝要。
次に、変革者としての覚悟を持って既存のビジネスモデルを壊す。これしか進むべき道はない。
具体的には、大丸松坂屋は百貨店業界で随一の破壊者です。翻って、最近よく記事がピックされる三越伊勢丹はチャレンジャーにも見えますが、実は既存モデルを否定していない。日常ではAmazonを駆使している私ですが、リアル店舗の意味を示してくれたのが、代官山の蔦屋書店や二子玉川の蔦屋家電でした。それは、Amazonでは出会えない本や、自分にはない生活を提案してくれるからです。
この2店舗の混雑具合は半端ない。まさに生活者が求めていたと言わんばかりに、人が集まり、二子玉川に至っては、街の変貌振りにただ驚かされる。
これに気づいた小売・流通業者が、色々と仕掛けてくる2016年は、生活者にとっても、生活の転換期になるのではなかろうか?
追記
1点業界に対する希望は、こういう店舗は東京にしかできないので、早く他地域にも展開して頂きたいですね。