楠木建「商社3.0なんてものはない」
2015/12/31
表層と深層
言葉の問題といえばそれまでですが、僕は「商社3.0」というテーマ設定そのものが空疎だと思います。
1.0は仲介による手数料、いわゆる口銭ビジネスが中心の時代。2.0は資源を軸とした事業投資ビジネスの時代。そして現在は、川上から川下までバリューチェーンの拡大を実行する、あるいは一歩先行くグローバル化を進める時代だ、というのがNewsPicksの見立てです。
資源依存度が高い三井物産や三菱商事、シェールガス投資に失敗した住友商事が稼ぐ力で伊藤忠商事に抜かれた。こうした現象にかぶせて、今後は資源から非資源の時代だというわけです。
でも、それは今のところのごく短期的な経営環境や業績の変化に反応しただけの話で、事の本質ではない。ビジネスにおける本質的な変化とは何か。それは「この会社はどうやって儲けているの?」という問いに対する答えが変わることです。
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この連載について
今、商社業界は大きな岐路を迎えている。手数料ビジネスで稼いだバブル崩壊前の時代(商社1.0)から、2000年代以降、資源を中心とした投資ビジネスへと比重をシフト、純益規模は一気に膨れ上がった(商社2.0)。しかし、その後、資源価格の下落が続き、各社とも減損を計上。商社各社は、商社3.0ともいうべき新たなビジネスモデル創出へ向け、もがいている。商社3.0の時代の商社のビジネスモデルとは何か。資源の時代は本当に終わったのか。新たなモデルを模索する大手商社の2020年に向けた戦略を探る。
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