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万物は変化していくわけですが、何が変わって何が変わらないか、ここを見分けることが大切だと常々思っております。
ゆく年くる年、よいお年を!
商社に限らずゴーイングコンサーンを志向する会社であれば、「経営人材が育つ土壌をより豊かにしていけるかどうか」に命運がかかっているというのはその通りだと思います。商社の場合は、他業界に比べて特に「人が全て」という点が際立ちやすい土壌でもあったのでしょう。
一方で、資源を中心とした事業投資ビジネスに軸足が移るにつれて、より足が長くなり、間尺が大きくなっているのが今の商社が営む個々の事業ではないでしょうか。その結果、若手がビジネスを切り盛りする機会が以前よりも減ってきているのではないかというのが、外から見た総合商社の印象です。会社にとってそれは、必ずしも悪いことではないのでしょうが。

21世紀のホンダやソニーを創ることを夢見るような大ホームラン狙いの「志高い起業」に限らず、ポテンヒット狙いの「志低い起業」の後押しをすべきだと私が思う由縁は、商社も含めて、既存の大企業ではなかなかできない事業をひと回しするという体験を、起業であればできる(せざるを得ない)からであり、楠木先生の仰る「ライト級」の経営者の総数を社会全体でより増やしていこうとするならば、起業の後押しというのも悪くないアプローチなのではないかと思っています。
商社3.0というタイトルを付けた張本人です(笑)。深く反省しまして、当分、テンゼロのタイトルは控えます。。。
商社は経営人材が育つ場になるべきという点には同意。ただ理想的モデルとして40歳前後で事業投資先の経営者〜というのは遅すぎると思う。デートの例で言えば、40歳まで童貞で過ごすということになり…笑
記事の通り経営者としての成長は経営の実経験が全て。ということは経営者として働き始めるのは早ければ早い方が良いはず。30歳前後で経営者となり経験を積めば、新波さんを超える経営者も出てくるはず。しかし年功序列が続く限り、新波さんのようなケースは今後まぐれでしか出てこない。結局三菱商事でも新波さんと遠山さん以降は10年以上に渡って経営者を輩出できていないわけで。
商社が従来の年功序列的考えで「40歳前後で経営経験を〜」とか悠長なことことをやってるうちには実際には経営人材は育たないし、若くて優秀な層の流出は続くと思う。個人的にも商社を早く辞めてやはり正解だったと思ってしまう…
大変面白い論考でした。大晦日に一年が締まった気がします。
"グローバル将校"が付加価値であった口銭ビジネスが1.0で、この役割がコモディティ化したため2.0(事業開発・投資・運営)に変化したということなのでしょう。

総合商社各社の利益額及び時価総額の成長を踏まえると、当該2.0への変化は正しい戦略でした。しかしバリュエーション(マルチプルのこと。PER 10xとかPBR 0.6xとかの水準)が優れない総合商社のコングロマリット・モデルがグローバル資本市場の中で永続的かというと、確信を持てません。むしろ日本の資本市場のEvolutionの中で順次補正が迫られる分野ではないかと思います。例えば、各社からの新設分割で新たな強い専門企業を創設すること(デュポン社/ダウ・ケミカルの統合/分割のように)であったり、キャッシュ・カウであるもののシナジーの低い事業のスピンオフであったりなど。上記事業の切り離しにより解放された資本は各社が得意とする分野における新たな事業開発に向かいます。
...世界の歴史と金融の常識からすると、従前アセットを抱えてきた専門集団が、限られたリソースでより多くの案件に従事するため「低リスク・高リターンのアセットライト型(開発と保有の切り離し型)」を目指す動きは変ではありません。

このとき、楠木教授が本稿で指摘する現在商社内におり事業を創成する稀有な力を持つ起業家/経営人材が、今より多く上場企業の経営者となります。上場企業の一経営者として、当社のBS/PL責任だけでなく株価を含め資本市場(投資家)と直接対峙する必要に迫られるため、なかなかアドレナリンの出る日々ですね。アドレナリンに満たされた活気ある日本とマーケットを楽しみにしています。
(あと、資本市場に出る際の仲間選びには外資バンカー出身者に清き一票をお願いします。笑)
「経営者は育てるものではなく、『育つ』もの」という、賛成。自発的に経営に浸らないといい経営者にはならない。
締めでのちゃぶ台返し素敵です。中身についてはすべてしっくりきます。リスクを取らない口銭から、投資に対するリターンという進化は分かりますが、資源から非資源って、今のタイミングで資源が儲からない投資先になっているだけではあります。ただ、PE投資でも黎明期は売り手のリテラシーの低さや、レバレッジだけでも儲けられたのが、競争が成熟すると徐々にバリューアップ力の勝負になるように、商社でもそこの力の勝負となり、それは記事にある通り「経営者育成力」なんだと思います。
経営者が育つ土壌が比較的あるというのは、すでに書いた通り自分もそう思います。それもなるべく本体から離れたところでやった方がよい。本体に近ければ近いほど、上が口を出してくるので調整が大変で、大企業的超遅い意思決定システムで経営しているだけ、となりますので。
あとは、個人の気持ちのもちよう。意思決定が遅い、年功序列というのは、組織の「看板」を使って自分の力をレバレッジして色々なことができる代償と捉えるべきなのですが、「看板」の力を忘れ、自分は何でもできると思いがちなのも確かであり、そのあたりは謙虚に、でも使えるものはすべて使うという心持が必要なんだと思います
のっけから「商社は2.0まで、3.0なんてものはない」と言われてしまい最初は焦りましたが、その分析が、大変深く感じ入りました。商社はなぜ経営人材が育つ土壌なのかについても、語られています。

ちなみに、先生が幼少期を過ごした南アフリカでは、「グローバル将校」——商社マン——が大変見事にフロンティアに集まる日本人を取りまとめていて、子どもの楠木先生にも、手帳をくれるなど、それはそれは温かかったとのこと。

読者の皆様、特集を最後までお読み頂き、ありがとうございました。楠木先生、ピッカーの皆様、よいお年をお迎えくださいませ!
楠木先生は本質的で、常々感じていたことを言語化してもらえました。”最終的には人であり、人はセンス”とのこと。身も蓋もなく,真実。

楠木先生の論を補強するファクトですが、(当時)三井物産には人事評価に「商売センス」という項目がありました。私もその項目(だけ?)を高く評価してもらえて、俺ってセンスあるんだ、、と自分にポジティブに暗示がかかった経験があります。そういう風に若手人材育成する仕組みが確かにありました。
楠木先生の素晴らしいまとめ記事。

「経営人材輩出」についての実態につき内部にいた人間として一言コメントさせて頂きたい。実際に事業の塊の場は確かに多々あるものの、経営数字管理の仕事も多く「ド商売」での経験(成功体験含む)を十分積めずに、キャリアを歩んでしまうケースも案外多い。

その結果「経営人材」ではなく、「経営企画(予実管理)人材」が多く輩出されている一面もある(商社の子会社プロパー社員ならすぐに言ってることが分かるかもしれません)。

記事に書かれている、経営センスの無さ(或いは、数字センスの高さなのかもしれない)ゆえの人事かもしれませんが、予算との差異分析を中心とした、なんちゃってCFOも少なくない気がします。

一方で商売を創り出す力がある人も少数ながらおり、本当にすごい実力者で尊敬を上下含め集めてました。ただ、そういう経営(候補)人材は、外からの人気も高く流出リスクがあり、斎藤陽氏がおっしゃっている「商社内にとどまるインセンティブとなる報酬体系なども整備していく必要がありそうです」には、激しく同意。ここが引き続き未整備のままだと経営者人材の流出と経営者じゃない人材の溜まり場となる危険性を孕んでいる気がする。

とはいえ意識さえ高く持てればあらゆる経営に通じる視点経験が得られる稀有な場である事は間違いない。
この連載について
今、商社業界は大きな岐路を迎えている。手数料ビジネスで稼いだバブル崩壊前の時代(商社1.0)から、2000年代以降、資源を中心とした投資ビジネスへと比重をシフト、純益規模は一気に膨れ上がった(商社2.0)。しかし、その後、資源価格の下落が続き、各社とも減損を計上。商社各社は、商社3.0ともいうべき新たなビジネスモデル創出へ向け、もがいている。商社3.0の時代の商社のビジネスモデルとは何か。資源の時代は本当に終わったのか。新たなモデルを模索する大手商社の2020年に向けた戦略を探る。