三菱商事の“期待の星”、食ビジネスは世界でも稼げるのか?
2015/12/27
利益の3割を稼ぐ「新エース」
商社業界の“絶対王者”──たとえ、利益で伊藤忠商事にトップの座を譲ったとしても、三菱商事の王座が揺るがないのには理由がある。
財務力、キャッシュ創出力、組織力、どれをとってもNo.1。そして、突出しているのが、事業のバランスの良さである。
ライバルとなる伊藤忠が“非資源”、三井物産が“資源”に偏っているのに対し、三菱商事には穴らしい穴がない。“資源”でも“非資源”でも、双方でトップクラスの力を有している。資源バブルが崩壊した後でも、三菱商事が安定した収益を稼げているのは、非資源のビジネスが強いからだ。
その非資源ビジネスの中でも、とくに進境著しいのが、生活産業グループである。
生活産業グループは、食料、ヘルスケア、繊維、資材の4つの領域を、川上(原料調達・加工)、川中(中間流通)、川下(リテイル)まで、トータルで手がけている。「食」を軸に、生活分野を幅広くカバーしているのが特徴だ。
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この連載について
今、商社業界は大きな岐路を迎えている。手数料ビジネスで稼いだバブル崩壊前の時代(商社1.0)から、2000年代以降、資源を中心とした投資ビジネスへと比重をシフト、純益規模は一気に膨れ上がった(商社2.0)。しかし、その後、資源価格の下落が続き、各社とも減損を計上。商社各社は、商社3.0ともいうべき新たなビジネスモデル創出へ向け、もがいている。商社3.0の時代の商社のビジネスモデルとは何か。資源の時代は本当に終わったのか。新たなモデルを模索する大手商社の2020年に向けた戦略を探る。
総合商社。繊維や食品といった非資源部門に強み。傘下にファミリーマートやプリマハムなどの有力企業を持つ。中国・アジアでの強固なビジネス基盤確立を推進しており、CITIC・CPグループと資本・業務提携も。
時価総額
10.5 兆円
業績
三菱グループの総合商社で、幅広い事業領域を展開。2017年にローソンを子会社化。2030年度までに2兆円のEX(エネルギー・トランスフォーメーション)投資を掲げ、再エネ・電化、エネルギー分野に注力。
時価総額
14.6 兆円
業績
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