三井物産・安永社長「商社横並びの時代は終わった」

2015/12/22
資源ブームが収束する中で、大きな打撃を受けているのが、資源No.1商社の三井物産だ。2015年4月、32人抜きで社長に就任した安永竜夫社長は、これから三井物産をどう成長させようとしているのか。三井物産の戦略と、商社業界の未来について、大手町のオフィスで45分間話を聞いた。

商社3.0でなく、無限大にnが続く

──最初に、商社業界の大きな潮流について質問させてください。商社業界の関係者やアナリストに話を聞くと、「今の商社業界は岐路にある」という意見と、「あくまで今までの延長線上にすぎない」という意見に大きく分かれます。資源ブームが終わった今、商社は構造変化を迫られていると思いますか。
安永 ご存じのように、われわれの会社は資源のアセットが強みでもあり、今の資源市況の下降局面ではどうしても資源の部分がハイライトされます。
その意味では、「今が変革のチャンス」というふうには捉えていますが、今までのフェーズと何か変わったかと聞かれれば、過去からの継続、流れの中での話だと思っています。
明治時代の初めから、われわれはずっと事業をつくり、企業をつくり、産業を興し、人を育て、新たなビジネスなり商売なりをつくってきました。
過去には、原料を輸入するというトレーディングの部分が強調された時代もありますし、10年前には、トレーディングから事業投資の時代へと変わったといわれました。