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注目のコメント
僕はユーザベースを起業する前、三井物産とUBS証券投資銀行で働いていたので、三井物産を内と外からみた。そこで実際の経験を通じて、肌で感じた三井物産(ひいては総合商社)の強み、弱みは以下の通り。
まず、強みは、①志の高い高質な人材、②危機意識。①高質人材については、外資系投資銀行や起業を通じて沢山の人と一緒に働いたが、三井物産の若手とTop10%のバケモノのような働きをしている先輩方の人材の質は、驚くほど高い。残念なことは、優秀な人の割合が、年齢とともに下がる傾向にあること。その理由は後述する弱みにあると思う。
二つ目の強みは、②危機意識。三井物産時代、社内の人との飲み会では、入社以来、いつも、『このままではいけない。世界の中で生き残れない。三井物産がやるべき仕事とは、、、』といった話題が常にでる。複数の先輩社員に聞いたが、彼らが入社してからも、ずっとそうらしい。この危機感が、いつのまにか事業の軸足をシフトして、生き残る変化力に繋がっている。
では、弱みは何か。それは、①官僚主義、②方針の非一貫性だろう。①の官僚主義については、GEのジャック・ウェルチが社長時代にもっとも意識して戦ったものと理解しているが、商社でもひどかった。②の方針の一貫性については、役員、本部長、部長がかわると、いわゆる、『前任者否定』があり、方針が一貫しない、という現象。
この強みと弱みは完全に裏表の関係にある。総合商社の社内は、『一部の高い質の人材が分散した形で、組織を動かすネットワーク型組織』であり、このことが、危機意識に裏打ちされた変化力(強み②)を生むんでいると思うが、他方で方針の非一貫性(弱み②)の源泉にも、なっている。
また、一部の高質の人材(強み①)の裏に、働かないおじさんもたくさんいて、そうした人達が官僚主義(弱み①)の温床になっている。三井物産は今年米国とブラジルでオンライン学習ベンチャー2社に出資。ブラジルでの出資比率は全体の約1割の5億円。サンパウロ支社から人も出向させるなど、意気込みを感じる。三井の他の分野への投資からしてみればかなり少ない額ではあるが、商社が教育分野へ投資すること自体珍しい。今後注目していきたい。
三井物産には「良い仕事」という言葉があります。
約10年前に2代前の代表取締役であった槍田松瑩が提唱した言葉です。
ミサイルからラーメンまでと称される幅広い事業領域を持つ総合商社において良い仕事という言葉の定義は難しく、
現場ごとの解釈ができる言葉ですが、彼は良い仕事は以下の3点を兼ね揃えるものだと語っています。
・世の中にとって役に立つものか
・お客様やパートナーにとって有益で付加価値をもたらすものか
・自分のやりがい・納得感につながるものか
忙しい年の瀬ですが、一踏ん張りして今日も”良い仕事”をしましょう。
この記事の著者 / 編集者
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