宝槻泰伸「理想の教育は、子どもの心に火をつけること」
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小学校教員時代、前担任から「勉強が苦手」だと引き継ぎを受けた子がいた。たしかに国語も算数も、点数は低かった。
ある日、私は彼が『ポケモン』のモンスターを100種類以上記憶していることを知った。つまり、彼は対象に興味さえあれば「暗記する」ことだってできるのだ。その日から、「彼は勉強ができない」のではなく、「私が彼に学習内容に興味を持たせられていない」のだと認識を改めた。
「勉強しなさい」と口うるさく言う北風になるより、いかに「勉強したい」と子ども自身に思わせる太陽になれるか――。本当にその通りだと思う。漫画や映画などは、勉強のきっかけを与えるには十分なツール。それは子どもだけではなく、大人にも言える話。『神の雫』を読んでもっとワインを勉強しようと思った人もいるだろうし、『クニミツの政』を読んで政治を勉強しようと思った人もいるのでは。きっかけの後、ではどうしたら勉強の意欲を維持させるか。そこに今、ゲームの要素を使った「ゲーミフィケーション」の概念が入ってきている。学習において「きっかけ」と「持続性」は永遠のテーマだったが、その概念が入ることで改善されるのではと期待されている。
「理想の教育は心に火をつけること」とのこと。教育に限らずスポーツでもビジネスでも、リーダー全てに共通。燃えないと全力が出せないし、結果も出ない。人生、燃えた方が面白い。