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10年後に60兆円。ヤフー小澤隆生が語る「eコマースの未来」
2015/11/12
日本と世界のeコマースはこれからどう進化していくのか。ヤフーのショッピングカンパニー長として「eコマース革命」をリードする小澤隆生氏が、「eコマースの未来」を語る(本インタビューは2015年10月22日に開催した「HIP Conference」でのインタビューをまとめたものです)。
eコマースはまだまだ伸びる
──小澤さんがヤフーのショッピングカンパニーの責任者に就任し、「eコマース革命」を掲げたのが2014年7月です。それから2年強が経ちましたが、この2年を振り返って大きな発見は何かありましたか。
小澤 正確に言うと、僕は1997年からeコマースに携わっています。
自ら創業したビズシークでは中古書籍などのeコマースを手がけていましたし、ヤフーに参画する前は、楽天に勤めていました。過去18年間、楽天球団の仕事などでお休みしている期間もありましたが、正直言って、まさかこんなにeコマースが成長するとは思っていなかったです。
そのうえで申し上げると、これからeコマースはまだまだ伸びると思います。たとえば今まで店頭を中心に売ってきたメーカーさんが、ネットでダイレクトに販売しようとしています。
加えてeコマースを活用した輸出です。以前は現地法人を通じて売ったり、海外企業に卸売りしたりするのが中心でしたが、最近は、中国であれば、アリババのTモールに出店して直接モノを売ってしまおうという流れも出てきています。
海外、特に中国へのeコマースでの輸出というのは、以前から概念としてはありましたが、「本当に売れるんかいな?」というのが実感でした。しかし、フタを開けてみたら、信じられないぐらい売れるということがわかってきました。
eコマースが伸びる理由としては、さらに付け加えると、今はPCよりもスマホが中心ですから、eコマースに接触する時間が異常なまでに増えています。これは国内外ともに起きていることですね。
中国で1日1兆円がECで売れる
──2014年時点で、日本の消費約300兆円のうちeコマースはまだ13兆円程度にすぎません。EC化率で言うと5%以下です。小澤さんは、2014年の13兆円が、2025年には60兆円になると予測していますが、日本も米国や英国のようなレベルまでEC化が進むと読んでいますか。
はい。実際、海外はeコマース化率が高い。つまり物の売買が、インターネットを通じて行われる率が高いわけです。
ちなみに2014年のアリババの流通総額は30兆円以上です。同年の11月11日(中国では独身の日としてeコマース各社がセールを行う)には、1日で1兆円が売れています。アリババの担当者と話した際に、2015年の11月11日には1兆5000億円とか2兆円を売ると言っていました。楽天が発表している流通総額が2兆円ぐらいですから、それをアリババは1日で売っているわけです。
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この連載について
1995年、書籍のeコマースからスタートしたアマゾン・ドット・コムは、20年の時を経て、売上高10兆円を超える巨大企業へと成長した。eコマースは、衣服、家電、食料品、医薬品、コンテンツなどあらゆる領域に広がり、クラウド、広告、ドローン、ロボット、動画制作などの分野でも存在を拡大している。アマゾンは、日本でもあらゆる業界を席巻していくのか。各分野の日本のトッププレーヤーたちはアマゾンに勝てるのか。業界別に競争の行方を占う。
2021年に旧ZホールディングスとLINEの統合によって誕生した持株会社。傘下にヤフー、LINE、ZOZOなど。直近は戦略事業と位置付けたFintech事業を強化。
時価総額
2.92 兆円
業績
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