もしホリエモンが、楽天のCEOだったら

2015/11/11

楽天の金融はもっと稼げる

──ここまではアマゾンの課題や弱点について聞いてきましたが、最終回では、日本における「アマゾンのライバル」について聞かせてください。日本では、アマゾンの最大のライバルになるのは楽天ですが、堀江さんがもし楽天の経営者だったら、日本と世界でアマゾンに勝つためにどんな手を打ちますか。
堀江 やることがいっぱいありすぎます。ただ、そもそも楽天はアマゾンに勝てるんでしょうか。今、時価総額でどれくらい差があるんですか。
──アマゾンが33兆円で、楽天が2兆4000億円です。
もともとアマゾンと楽天はビジネスモデルが違いますから。
──ガチンコで両者を比べるのは間違いですね。
そうですね。
楽天の特徴としては、楽天銀行や楽天カードなど金融系の事業が大きいですよね。
ただ、金融に関しては、アマゾンも遅いですが、楽天も遅く見えますよ。たとえば、ライブドア時代に、僕はすでにファクタリング(企業の売掛債権を買い取り、債権の管理・回収を行う金融サービス)を始めていましたよ。(電子マネーの)ビットキャッシュの加盟店に、ファクタリングを提供していました。
そもそも、短期融資はすごく儲かります。ECには小規模なマーチャントが多いので、資金繰りのニーズがすごくありますよ。
特に楽天は、自分たちのプラットフォームを使って運営していて、販売のデータもすべて持っているので、与信管理がある程度できるんですよ。マーチャントに対して、楽天銀行から融資することができるので、すごく利益をとれると思いますよ。

楽天とゾゾタウンの「差」

──金融の強化以外に何をすべきですか。
グローバル展開じゃないですか。
そのためにも、「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」を運営するスタートトゥデイを買収したいですね。あの会社はいいですよ。メディアのつくり方がうまいし、(ファッションコーディネートサイト)の「WEAR(ウェア)」などスマホのアプリがいい。そして何よりも、経営者がいい。トップの前澤(友作)さんのセンスがいい。
今、ゾゾタウンは、海外の進出戦略を練り直していて、メディアという切り口からアプローチしようとしているんですよ。
ウェアはメディア、つまりは、ファッション雑誌なんですよ。一人ひとりのユーザーにフォロワーが付いていて、一番フォロワーが多いのは元モーニング娘の高橋愛ちゃん。彼女のフォロワーは100万を超えていますから、何でもできますよ。自分のブランドを立ち上げて、それだけでかなり売上高を上げられると思いますよ。