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人口減少社会に備えよ Part2

【小泉×玉塚】ローソンはなぜ「健康コンビニ」を目指すのか

2015/11/10
人口減少が急速に進み、2100年には人口5000万人になると予測される日本。今年生まれる子どもが、平均寿命まで生きて2100年を迎えることを考えれば、自分の子ども世代のために、真剣に考えなければならない問題だ。
そこで今回、小泉進次郎衆議院議員とローソン玉塚元一社長が、政策面・ビジネス面から人口減少社会に対する処方箋を語り合った(全5回掲載)。第2回は玉塚氏が、人口減少がビジネスに与える影響や、ローソンとしての対応方法を展開する。
第1回:私が「第1子からの支援」を訴える理由

人口が減ると胃袋が減る

玉塚:ローソンの玉塚元一です。初めに、簡単にローソンの紹介をします。ローソンは全国に約1万2000店舗あります。直営ではなくフランチャイズビジネスとして各地域で約6000人のオーナーが店舗を経営し、約20万人が働いています。

またわれわれは農場も持っていて、原材料の調達から生産管理までに携わる「製造小売業」という形態をとっています。1日に1000万人のお客さんがローソンを利用しています。

人口減少といってまず懸念するのが、人口が減ると胃袋の数が減ることです。マーケットが小さくなるのでビジネスにも深刻な問題です。民間企業としてもやれることは徹底的にやらないと、と危機感を持っています。

町はどんどん変わっています。40年前、日本全国には八百屋や魚屋や本屋など、お店が160万店もありましたが、現在は80万店を切っています。けれど売り場面積はそれほど減っていません。

これはスーパーマーケットや大型のショッピングセンターなどが増え、店舗形態が変わったからです。その一方で、犯罪や災害に対する不安も高まっている。こういう状況で、私たちのような比較的小型の店舗が、町で果たす役割は大きいのではないかと思います。

もちろん私たちはビジネスとして24時間明かりを灯していますが、「徘徊する人を見つけたらここに電話する」など地域見守りの側面も担いつつあります。家族の単位も小さくなり、忙しい人が増える中、ただ物を売るだけでなく、ATMや宅配受付なども含め、生活全般を支援する店になりつつある。

私たちのような店をアメリカでは“neighborhood store”と言いますが、もはやコンビニエンスではない、まさにご近所の店です。「ローソンの商売をひと言でいうと何ですか」と聞かれたら、「マチの変化に対応することです」と答えています。社会にとって、なくてはならない店になってきていると思います。

新しい雇用の拡大に挑戦

もう一つ、人口減少で顕在化する問題が人材不足です。これは私たちの業界だけの問題ではありません。私たちが取り組んでいるのは新しい雇用の拡大です。女性、シニア、外国人。

そのためには、生産性の向上が必要なんです。新しい人たちがローソンで働けるようにPOS(販売情報管理システム。天候や売り上げなど条件に合わせ、補充商品の種類や量を分析する)を簡単にしたり、外国人向けに多言語表記にしたり。

AI(人工知能)やビッグデータの活用など、日本はオペレーションの改善が得意です。それを取り入れ、機械的に自動で商品を発注し、最後は店員が微調整する。いわばデジタルとアナログの掛け算で、生産性向上に本気で取り組む時期がやってきたと感じます。また日本の接客は世界の宝なので、接客を職業訓練の枠組みに入れてほしいと政府にも訴えています。

新しい雇用を拡大すると同時に、今いる20万人がハッピーに働くことも意識しています。やはり「辞めない」ことが大事です。働いている人にローソンのファンになってもらい、また仲間を呼んできてもらうような好循環をつくりたい。新しい人を招き入れると同時に、今いる人の満足感も高め、生産性の向上をしようと取り組んでいます。
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企業の託児所の問題点

人口問題について、ローソンとして取り組みたいことの一つは、子育て応援です。先ほど小泉さんがおっしゃった第1子支援は大賛成です。先日は厚生労働省の「イクメン企業アワード」特別奨励賞を受賞しましたが、横浜には「HAPPY LAWSON」という託児所つき店舗をつくっています。

ただこの託児所、1企業に1カ所しかつくれないんですよ。私たちはたくさんの営業所や加盟店があるのでそこにもつくりたいのですが、いろんな規則や制約があってなかなか思うようには進まない。そういう面でもまだ課題は多いですね。