ファッションに弱いアマゾン。楽天、ZOZO、ユニクロに挑む

2015/11/7
読者に伝えたい3つのポイント
・衣料のEC化率は低い。楽天、スタートトゥデイが2強で、アマゾンのシェアは低い。
・総合モールだけでなく、ユニクロのようなSPAのEC化と衣料専門モールなどに注目。
・ファッション系はベーシックとは異なり、新製品とユーズドとの連携が市場を創造する。

アマゾン、ヤフーは出遅れ

衣類・服装雑貨などのファッション分野のEC化率は8%強にすぎない。EC化率はほかのジャンルに比べて遅れており、まだまだこれからの市場だ。
現在の主要プレーヤーを挙げると、第1位が楽天、第2位がスタートトゥデイと推測される(スタートトゥデイの2015年3月期の商品取扱額は1290億円)。明確なデータがないので断言はできないが、ヤフー、アマゾンのプレゼンスはこれら2社に比べると大きく出遅れていると思われる。
潜在性が大きいファッションECでは、以下の3つのタイプのプレーヤーが、それぞれの特徴を生かしながら、市場をけん引している。ユーズド品の流通市場(オークション、フリーマーケット)が活性化していることも、新品の市場の潤滑油になっているようだ。
(1)楽天、アマゾン、ヤフーのような総合モール型ECサイト
(2)スタートトゥデイのような衣料専門モール型ECサイト
(3)ファーストリテイリングといった衣料SPA企業の自社ECサイト

台風の目、ユニクロ

今後の市場の方向性を考えるうえでは、もう少しセグメンテーションをしたほうが良いだろう。
たとえばスタートトゥデイの定義によると、ファッションeコマース市場はハイエンドゾーン、トレンドゾーン、ボリュームゾーンに細分化でき、同社はトレンドゾーンをメインに、楽天はボリュームゾーンをメインにしているとのことである。
この定義とは若干切り口が変わるかもしれないが、本稿ではベーシックとファッションに分けてみることにしたい。
ベーシックは定番品であり、総合型ECサイトが得意とするジャンルだ。納期や決済、そしてなんといっても価格が消費者に対する訴求ポイントになる。ベーシック品であるため、消費者はお米や水、洗剤、電池、書籍などをECサイトで買うのと同じ感覚で購入できる。この分野では、着実にEC化が進んでいくことだろう。