東レ、ファストリと1兆円契約 高機能繊維の取引
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東レの高機能繊維を使ったユニクロ製品といえば「ヒートテック」が有名ですが、「ウルトラライトダウン」も東レのナノ繊維を使ってます。あと、夏場に活躍する肌着の「エアリズム」も東レです。
皆さん覚えてないかもしれませんが、夏の機能性肌着はかつて、女性用が「サラファイン」、男性用が「シルキードライ」と別ものでした。使ってる素材も違っていて、サラファインは東レでしたが、シルキードライは(いま話題の)旭化成でした。
それが3年前になって、男女ともにエアリズムという名前に統合されましたが、この時に旭化成が切られて、東レに一本化しています。
これらの商品の販売数量は極秘扱いです。なので、以下は小型犬のざっくりとした山勘です。
ヒートテックはかつて販売数量を公表してましたが、年間で1億点を売ったとか売らなかったとかいう頃から販売数量の開示がなくなりました。
その後も海外店舗が増え、ヒートテック素材のジーンズやらソックスやら子ども向けやらが増えたので、いまやヒートテックだけで2億点近く売ってるかもしれません。
ヒートテックに関しては、縫製やパッケージに至るまで東レが関わっているので、1点当たり300円くらいでユニクロに売っていると思います。2億点なら年間600億円。
これにエアリズムとウルトラライトダウンが加われば、年間の取引高が2,000億円というのは違和感ないです。まあしかし、化け物みたいな数字です。
確かに理想的なパートナーシップ。5年間の膨大な販売数が確定されていれば、製造や調達面でのスケールメリットや投資計画の練りやすさなど、その効用は計り知れません。
しかし、ここまで読んで同じように感じた方もいるかもしれませんが、ユニクロの商品ラインナップは、素材開発や経済的なメリットといった「供給側の論理」ありきになっていないか?という点が心配です。もちろん柳井さんはそんなこと承知だと思いますが、落とし穴があるとすればそのあたりだと思います。
あー、すんません長く書きすぎたー。東レとファストリの関係は、他の素材企業も狙うアプローチ。でも、ここまでうまくいっている先はない。やはり、トップ同士がコミットしているかだろう。
ちなみに、取引スタート間もないころに、ファストリの半分判断ミスで、在庫を東レが抱えてしまった。その時、柳井さんが、「これはうちの判断ミスですので、買い取り致します」と宣言したとのこと。どこまで本当かは分かりませんが、この判断で東レは柳井さんとともに成長しようと思ったようです。はっきり覚えていませんが、15年くらいの蜜月関係ではないでしょうか。大成功例です。世界展開には不可欠なパートナーになりましたね。
ちなみに最近は帝人や東洋紡でも同じようなアプローチが目に見える形で進んでいます(特にニトリ)。