(ブルームバーグ):伊藤忠商事の純利益が今期(2016年3月期)、三菱商事を抜き初めて総合商社業界でトップとなる見通しだ。一方、三菱商事は資源価格の下落の影響が響いて00年3月期以来初めて首位の座を明け渡すことになる。

伊藤忠は5日、2015年4-9月期連結決算を発表し、非資源分野が好調に推移しているとして今期の純利益計画を期初予想の3300億円に据え置いた。三菱商事は原料炭などの資源価格の低迷を受けて純利益見通しを3600億円から3000億円に下方修正すると発表した。

会見した伊藤忠の鉢村剛・最高財務責任者(CFO)は「資源価格が前年同期と比べて半減したにもかかわらず、特殊損益を除いたベースでは前年並みを確保できた」と指摘。「非資源分野を中心に極めて好調な決算だった」と振り返った。

伊藤忠の4-9月期の純利益実績は前年同期比40%増の2127億円。通期計画に対する進ちょく率は64%に達した。海外での紙パルプ取引やタイヤ販売、化学品取引といった非資源事業の利益が伸びたほか、株式売却益や米シェールガス・オイル事業からの撤退に伴う税効果の影響など一過性の利益670億円の計上も寄与した。

鉢村氏は通期業績の見通しについて「資源価格の見通しはかなり厳しく見ているが、必ず達成できる強い手応えを持っている」と述べた。通期では中国政府系企業、中国中信集団(CITIC)傘下企業への出資に伴う利益貢献も見込む。

三菱商は通期純利益予想を600億円減額した。非資源分野は計画を上回って推移しているというが、内野州馬CFOは「中国経済のさらなる減速などを背景に商品市況は期初の想定を超えて低迷しており、早期の回復が見込めないことから現時点で想定される懸念事項を全て織り込んだ」と説明。豪州での製鉄向け原料炭事業の販売先の2割が中国向けといい、価格低迷などから同事業の悪化に加えて、エネルギー関連を中心に約200億円の減損損失の計上を見込むことが響く。

同社の4-9月期の純利益実績は同39%減の1549億円。業績の下方修正に伴い今期の年間配当予想も1株当たり56円から50円へと引き下げた。

大手総合商社5社のうち4社が4-9月期の決算を発表。6日に発表を予定している三井物産は今期純利益を2400億円と計画している。

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