大和グループ、妊産婦対象送迎サービス「たまごタクシー」来春開始で講習会
2015/11/06, 日刊自動車新聞
大和自動車交通(前島忻治社長)はこのほど都内で大和グループの乗務員約600人を集め、妊産婦を対象とする送迎サービス「たまごタクシー」の来春立ち上げに向けた講習会を実施した。すでに同業他社ではマタニティータクシーとか、陣痛タクシーなどのネーミングで先行導入しており、大和グループが最後発になる。グループを代表し中央無線タクシー協同組合の武居利春理事長(昭栄自動車社長)は冒頭で挨拶、「後発だからこそ課題を克服し、より良い内容としたい。妊婦さんには旦那さんがいて、その家族、おじいさん、おばあさんもいる。家族に感謝され、大和のファンになってもらう機会にし、選ばれるタクシーになろう」と述べ、病院への営業展開などを強調した。
講習会は、東京都助産師協会から招いた名嘉眞あけみさんが講師になった。(1)どういう状態になったら産まれてくるのか、(2)産まれそうになったらどう対応すべき―を分かりやすく解説した。まず乗車した妊婦さんに声かけをし、その反応からお産の進み具合をある程度推測することができる。「会話ができる程度の弱い陣痛」なのか、「会話が途切れる状態」か。また「荒い呼吸で1分間隔になっている」(実際は陣痛が1分/お休みが1分の2分サイクル)のか―を3段階で示し、さらに進んで「ウ~ン」「ハァ~」といった“いきみ”が漏れる最終段階を説明した。いきみは便意に似て、最後に踏ん張る感覚に近いという。
それと陣痛の進行が早く、体がついていけない場合、吐き気を伴い、嘔吐することもある。また「破水」という現象も説明、陣痛がない時でも起き、その場合、慌てず病院に運ぶ。しかし強い陣痛で羊膜が破れ、「サァ~」と羊水が流れる状態は最終段階で、切迫した状態という。
この段階で運転者は迷うが、その際、病院までの到着時間で判断する。病院まで10分以内で着くと確信できたら、そのまま病院に直行する。10分以上かかると判断したら安全な場所に車を寄せ、救急車の出動を要請する。オペレーター(配車センター)との連携も大切。車内での出産を想定し、室内温度を高くし、また出産の邪魔になる下半身の衣類を脱がせ、横にする。足を曲げさせ、タオルで下半身を覆うなど出産の心得を教えた。予め防水シートを座席に敷き、タオルを用意する―など準備の必要性も説明した。
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