[東京 5日 ロイター] - 東芝<6502.T>は5日、連結子会社の東芝テック<6588.T>がPOS(販売時点情報管理)端末システム事業を減損処理したことで、2015年4―9月期の連結営業費用に696億円の減損損失を計上すると発表した。

東芝テックは同日、15年4―9月期にPOS事業の減損処理で659億円の特別損失を計上したと発表。12年に米IBM<IBM.N>から買収した事業で、米国の大手小売業顧客を引き継いで事業拡大する計画だったが、主要顧客のIT(情報技術)投資の抑制でPOS端末の需要が落ち込み、事業拡大計画を見直した結果、同事業の「のれん代」と無形固定資産を減損処理した。

これにより東芝テックの15年4―9月期の連結当期純損益は、従来計画の30億円の赤字から740億円の赤字に拡大した。16年3月期の当期純損益予想は、従来予想の30億円の黒字から790億円の赤字に下方修正した。

東芝テックは1株あたあり4円を計画していた年間配当を無配に修正。池田隆之社長ら役員の報酬を11月から5―20%の幅で返上する。POS事業に関わる2000人のうち、今期中に200―300人を削減する計画。

東芝は、東芝テックの業績悪化を織りこんだ4―9月期決算を7日土曜日に発表する。すでに連結営業損益は900億円前後の赤字に、連結当期純損益は400億円前後の黒字になる見込みと明らかにしている。

*内容を追加しました。

(村井令二 編集:山川薫)