楽天、ヤフーはアマゾンに勝てるのか?

2015/10/29
読者に伝えたい4つのポイント
・日本のB2C物販のEC化率は低い。成長のためには「ボリュームゾーンを狙う」もしくは「ロングテールを囲う」というふうにサブセグメントごとに異なる対応が求められる。
・楽天はEC市場の20%前後(筆者推定)を有し、確固たるプレゼンスがある。会員累計が1億人に達し、楽天ポイントによる顧客囲い込みが機能している。
・楽天は、ユニーク購入者の引き上げとクロスユースの促進が課題。ユーザーインターフェースの改善も継続的なテーマとなる。中期的にはモール型ビジネスからの自己変革が求められるかもしれない。
・ヤフーはオークションでは引き続き高いプレゼンスを誇るがショッピングはこれから。ともかく規模の拡大が急務。Tポイントをテコにした、ソフトバンクとの連携がカギになるだろう。

EC成長のカギを握る「4つのジャンル」

前回、日本のB2CのEC市場の規模について経済産業省の「電子商取引に関する市場調査」のデータを取り上げた。
このデータは筆者には大変興味深い。本調査の主テーマは、B2BのEC市場の分析、B2CのEC市場の分析、越境ECの分析である。
ここではB2CのECのうち、物販系(これ以外にサービス系、デジタル分野が取り上げられている)を詳しく見ておきたい。
まず、物販のジャンル別のECと非ECの市場推計を見たい。
青い部分がECの大きさを示しているが、グラフとしてはわずかに見えるか見えないかという程度にすぎない。これではECの大きさがわかりにくいので、EC化率だけを取り出した図表2を見てほしい。
 
次に、ジャンル別のECの市場規模の推移を示しておこう。
 
これはなかなか興味深いデータだ。