がんは放置せよ「近藤理論」に賛成の医師は3%
2015/10/19, NewsPicks編集部
m3.com×NewsPicks共同企画「医療の未来、医師のリアル」【Vol.4】
がんは放置せよ「近藤理論」に賛成の医師は3%
2015/10/19
財政規律と国民の健康維持──。この2つを両立させていくためには、日本の医療の現状と問題点を、医療を提供する側と受ける側双方で共有することが不可欠である。そんな思いから、医療従事者向け情報サイト「m3.com」と経済情報に特化したニュース共有サービス「NewsPicks(以下、NP)」はこのほど、それぞれの会員を対象に共通のアンケートを実施した。
調査は2015年8月下旬から9月上旬にかけて実施し、m3.comの医師会員476人、NPの読者326人から回答を得た。本特集では、この調査結果をもとに、医師とNP読者が考える日本の「医療の未来」について、はたまた現場を支える医師の「リアル」についてリポートしていく。
NewsPicks読者の58%が「近藤理論」に「聞くべき点ある」
がんは放置すべき、抗がん剤は毒だ、検診による早期発見のメリットはない──。元・慶應義塾大学医学部専任講師の近藤誠氏は、日本のがん治療を真っ向から否定する。氏が提唱する「がん放置療法」のあらましは、簡単に言うとこんなことだ。
がんには「本物のがん」と「がんもどき」の2種類があり、本物のがんは発見時には転移しており治療は無駄、一方、がんもどきは転移しないので放置してもいい。つまり、いずれの場合でも、積極的な治療は不要だと言う。
この「近藤理論」は、センセーショナルなタイトルの数多くの著書に加え、国民の2人に1人ががんに罹患し、がんが身近な問題と捉えられる時代になり、著書『医者に殺されない47の心得』(アスコム)は100万部を超えるヒットを記録した。実際、今回のアンケートに答えてくれたNP読者の6.2%近藤理論に賛成し、51.8%もが聞くべき点もあると回答している。
著者の売名行為、エビデンス不足など医師は否定的
だが、医師の間では近藤理論は長らく疑問視されてきた。実際、今回のアンケート結果を見ても、賛成と答えた医師は2.7%にすぎず、53.4%が反対と回答している。自由回答を見ると、実に辛辣な意見が寄せられる。
newspicks.com
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コメント
注目のコメント
【m3.com×NewsPicks共同企画「医療の未来、医師のリアル」【Vol.4】】がんは放置すべき、抗がん剤は毒だ、検診による早期発見のメリットはない──「がん放置療法」を提唱する近藤誠氏。その理論についてNewsPicks読者の58%が聞くべき点があると回答したのに対し、医師でそう答えた人は3割程度に留まりました。賛成と回答した人はわずか3%です。その理由に迫ります。
まあ妥当な結果ですね。
近藤理論は「つっこみどころだらけ」ですので、「叩く快楽」にあふれています。叩いてもこっちは傷を負わないので。
ただ、なぜ近藤理論があれだけ大衆の心を捉えてしまうかは叩いただけでは分かりません。このあたりを分析するのが「叩く」の次の段階なんじゃないかなと思います。この話は、財政問題とは切り離して議論したい。あくまで、人間としてどう最後を過ごしたいか?という話だ。
難しく考えなければ、病院に入らずに、日常生活が出来るようになるのであれば、手術もあり。だけど、病院で生活するだけになるのであれば、手術はしたくないというのが、一般的な認識ではないか?これくらいの普通感覚をスタートに、手術可否を医師と家族で決めれる選択権は欲しい。
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