「ドイツ見習え論」に警鐘を鳴らす
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そもそも見習えと思っていたわけではないが、一方でそこまで否定するほどでもないと思う。コメント欄含めて、少し過度に「ドイツ見習うべきでない」という方向に触れすぎている気もするので、あえてコメントする。
再エネに関して、日本のFITは、自分は大罪だと思っている。ただそれは特に価格設計の部分で、ドイツの先行した失敗事例があったから。ドイツは事例がある前にやったという点で、その時点でそこまでソーラーのコストが急下落すると想定できていた人もいないと思う。また下がった後に、価格設計を変えるなどしている。
移民に関しても、ドイツ語は英語と違い、ポピュラーな言語ではないという点で日本語と一緒。もちろん移民に対するポリシーの違いはあろうが、移民を吸引できている力は正直すごいと思う。今、日本がポリシーを変えたとして、実際どれだけ移民を吸引できるだろうか?人口及びその構成は、経済に多大なる影響を及ぼす(アメリカの強さの源泉は移民がコンスタントに入り続ける点)。
政治を自国民の反映のための外交的戦争と考えれば、ユーロ統合によって自国通貨が相対的に安い状況を作っているのは、国民からすれば極めて強い政府でもある。もちろん、その代償に関して考慮すべきだが、アベノミクスで円安になって競争力が相対的に下がった韓国がかわいそうという議論がでるかというとそうではない。
注目のコメント
特にエネルギー政策についてはドイツ見習え論が強いのですが、私自身は、ドイツのエネルギー政策を日本が見習う、真似することはできないとずっと主張してきました。(お時間あればぜひ)
http://ieei.or.jp/author/takeuchi-sumiko/
以前、イギリスの研究者にドイツのエネルギー政策をどう見るか聞いたところ「我々はあんな呑気なことを言っている余裕はない」の一言であったことを思い出します。
三好さんがおっしゃる「夢見る政治が引き起こす混乱」という言葉にはまさに同意します。
「夢見る政治の国」を「夢見る政治・夢見る国民の国」が見習えば、それは恐ろしい事態になります。そんなに見習おう、という声も聞いたことなかったのですが、
・原発からの脱却で電力不足になり、隣国のフランスから「原発」電力を購入している
・景気についてはユーロの恩恵を最大限に受けており、その副作用は他国に
・歴史認識は、相手する近隣諸国の違い。過ちを認めた事のレベルに大差はない
と言われているので、日本がマネしたくてもマネできないことばかり。そしてその形も理想形ではない、と思います。
(追記)
zetumuさん>ご指摘ありがとうございます!おっしゃる通りで、私の理解不足です。書き方としては「融通」の方がよかったですね。どちらにしても隣国が全て海に囲まれている日本は、原発の良し・悪しではなく、安定した電力共有のためにどうするか、を考えるべきだと思い、ドイツが必ずしも日本の理想形ではないと感じました。
おそらく、どこの国、ではなくどの国のどの産業のどの部分がお手本になるか、を論調として考えなければならないのですが、その部分はマスメディアの限界も感じます。竹内純子さんのコメントに関して私なりに付言すると、エネルギー政策でドイツから見習うべきは、「2022年脱原子力・2050年再エネ80%化」ではなく、これまで15年間にわたる電力自由化・再エネ導入促進策によって、電力コストがどの程度上がってきたか、それによって電力コスト面で欧州・欧米内でどのような位置付けになっているか等々、教訓とすべき点であると強く思う。
私は今年3月にドイツ現地調査を行ったレポートは以下のURLで、ご関心があれば是非とのご一読を。
http://blog.livedoor.jp/kasumigaseki_soken/archives/43381363.html
http://www.slideshare.net/KasuoIshikawa/edit_my_uploads