過去20年、なぜ「日中関係」はこれほど悪化したのか
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注目のコメント
本日福岡で学長セッションがあり、中国人のMBA生に「日中関係をどう思いますか?」と質問を受けました。その際に、以下回答しました。
・日中の民と民の交流は、今が一番良好だと思う。中国人は、日本に旅行に来て、日本への理解が進み、それをソーシャルメディアで拡散されるので、日本を好きな人が増えている。
・「中国人は、日本政府よりも中国政府を信頼関係でしていないのでは?」と思う。実は、僕の中国人の親友も、中国政府に捕まったあとどこにいるかわからない。裁判も法律もほとんど意味をなさない。だからか、資産や家族を海外に移転する人が増えている。日本政府に対しては、安心感があるのだと思う。日本で働いている中国人に、中国法人に出向してくれないか、とお願いしても、断る人が多い。中国人にとっては、日本の方が安心感があるのだと思う。
・一方日中関係は、民と民の関係が良好になっても、政府間関係は良好になるとは限らない。日本人は、言論の自由と民主主義が確立しているので、発言や投票を通して日本政府に影響を及ぼせる。だが、中国は、政府の力が強力すぎて、残念ながら中国政府に影響力を更新できない。ダボス会議で何度も、日中関係の民と民との関係はを良くしようと思ったが、なかなかうまくいかない。すると、最終的には、習近平氏と安倍総理の関係が良くなるかどうかが、重要だと思う。
・それよりも強いのが、中国の軍部の動きだ。習近平氏さえもコントロールできていない形跡がある。
・そういう状況で、日中関係を良好なものにしようと思っても、自ずと限度がある。だが、急激に中国人の日本に対する見方が変わっているので、以前のような反日デモは、起こりにくくなっているのではとも思っている。だが、デモも政府がコントロールするものなので、「無くなると」とは一概には言えないけどね。
と。取り留めもない話ですが、タイムリーだったので、コメントとして書いておきます。1990年を語る時、経済のバブル崩壊ばかりが注目されがちですが、冷戦終了によるバブル崩壊も極めて大事な要素です。
国際関係は、短期的には、そのときどきのイベントや感情によって動かされがちですが、中長期的には、世界構造の変化、国家間のパワーバランスの変化といったファンダメンタルズによって左右される部分が大きい。
短期と中長期、イベントとファンダメンタルズ――双方をバランスよく分析することで、より現実的かつ本質的な解決策を提示できるはずです。